バイオ蛸酢 2.00 前篇

〜バイオという謎 の巻〜

今回作成するのは、スタジオジブリのショートフィルム「On Your Mark」に登場するバイオ蛸酢。
元々は同タイトルの曲のPVとして作成された7分弱のアニメです。

On Your Markは、地球が放射能で汚染され、地下に暮らすようになった未来都市が舞台。
冒頭は、怪しげなカルト教団を武装警察が制圧するシーンから始まります。

二人の警官が教団施設内へ歩みを進めると、奥には大きな白い翼の生えた少女が横たわっていました。
彼女を保護したと思うも束の間、今度は政府が彼女を研究資料として捕らえます。

彼女はこのままで良いのか?二人の警官は悩みます。
そして、彼女を解放しようと意を決して行動に移していく‥という展開へ進みます。

歌詞に乗せてのアニメーションなので、作中には台詞は一切ありません。
その為、おおまかなストーリーは見えてもはっきりとした理解ができなくて、それが魅力です。

作中でリフレインし、まるで軌道修正するかのように変化するシナリオ。
排気ガスにネオン、人の気配のする地下に比べて、まるでサンクチュアリのような静かなる地上。
すべての不自然さに意味があって、でもその輪郭がはっきり見えない。

歌詞だけを読むととても前向きなのに、このアニメーションを見ながらだと全く異なった暗雲たるものに思えてくる感覚といったら、鳥肌モノです。

さて、そんな「On Your Mark」の世界に出てくる蛸酢。
警官二人が、安居酒屋で翼の生えた彼女について悩むシーンに出てきます。

食べているシーンはなく、メニューとして「バイオ蛸酢 2.00」と書かれているだけ。
文字だけでもインパクト十分で、「塩サバ(合成) 1.00」と並んで、とても気になる‥

蛸酢といえば、料亭の先付から居酒屋のメニューとして、幅広く取り扱われる酢の物。
しかし、「バイオ」な蛸酢って?

おそらく、海も放射能で汚染されていて、漁獲が出来ないことのあらわれなのではないでしょうか。
つまり、天然でも養殖でもない、蛸だけど蛸じゃない!ということ。

「がんもどき」のように、他の食材で見た目や食感を寄せたものを作る‥
難しそうですが、やってみる価値はありそうです!

ということで、いざ挑戦です!

【用意するもの】
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鱈、白玉粉、めかぶ液、強力粉、着色料
これらが、今回バイオ蛸になる食材。

原材料に蛸が入っていない蛸を名乗る食べ物といえば、「酢だこさん太郎」。
鱈を入れるというヒントを頂きました。

002
めかぶ液は、単純にめかぶをザルに濾して液だけ採取したもの。
塩水に近い、海の風味に近づくことが狙いです。

008
まずは鱈をすり潰していきます。

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すり身になるまで、ゴリゴリとすります。

011
すり潰した鱈は、ボウルに水を張り洗います。

012
手で揉みほぐして、潰し残りがないか・骨の取り残しがないかチェック。

014
綺麗になったら水気を軽く切って、ボウルに入れます。
血合いもない鱈だったので、大根おろしのように白くて綺麗。

017
ボウルに強力粉、白玉粉、めかぶ液を加えます。

028
生地中の水分が均一になるまで、よく混ぜます。

032
最後は手で硬さをチェック。
白玉だんごを作る時と同じで、ちょうど人の耳たぶくらいの硬さを目安にしてみました。

033
適当な大きさにちぎります。

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手で伸ばして、蛸の足っぽい形にします。

035
さあ!水で溶いた着色料に刷毛をつけて、いよいよ着色です。

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赤が鮮やか過ぎて、なんだかちょっとグロテスク‥

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着色した生地はふやけて扱いづらくなるので、すぐに熱湯に入れます。

茹でたら一体どうなるのか‥全く予測がつきません。
ただ、手に着色料がついてしまった時って、結構とれなくて苦戦する覚えがあるので、この着色が飛んでしまうことはないかな?と楽観的に考えてます。

色が黒ずんでしまったり、薄くなるのは心配。
あとは、肝心の食感もどうなるのか‥

次回、「鱈は!?」の巻に続きます。

アニメシ以外のお知らせ

当ビストロのシェフ土谷が、アニメシ以外にもレシピ提供を開始しました。

お酒のエンタメ情報サイト「NOMOOO」にて、おつまみレシピをご提供させていただく運びとなりました。
記念すべき第1回のレシピは「チキンピカタ」です。
人気ライターになると連載も持てるそうなので、ぜひとも応援お願い致します。

広報部 前田

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夏期休業のお知らせ

いつもビストロ・アニメシをご愛読頂きありがとうございます。

8月17日~22日まで、お休みを頂きます。
次回更新予定は8月31日になります。

休業中はアニメに漫画、小説をたんまり読んでネタのストックに励みます。
遠出をして食の勉強も予定しておりますので、お楽しみに!

今後とも宜しくお願い申しあげます。

甘いと思って食べないでね!告白ケークサレ 後篇

前篇の「もんどりうっちゃう恋のお話」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!

〜いつかどこかで‥? の巻〜

ケークサレは基本的にパウンド型に流し込むことが多いです。
が、今回は大切な日の大和さんの恋心を表すケークサレ。

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そう。手のひらサイズのハート型は、はずせないポイントです!

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ベーキングパウダーの効果で膨らむので、型にはなみなみと注がないこと。
このくらいがベストです。

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ずらっとハートが並びました。

さあ、あとはこれを予熱した180℃のオーブンで40〜50分ほど焼くばかり!
焼き上がりの時間が近づくにつれ、野菜の柔らかい香り、チーズの香ばしい香りが立ち込めます。

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綺麗に焼けました。
見た目はグラタンにも似ています。

アツアツについ手が伸びてしまいそうになりますが、ここはちょっと我慢。
粗熱をとり、熱が落ち着いたら、型から外していきます。

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お皿に盛って、出来上がり!

大和さんの一途な気持ちを表すかのような、ころんと可愛らしい山盛りのハート。
「いつもみたいに美味しいって言って食べてくれるかな?」とドキドキする大和さんを想像して胸がキュンキュンしてしまいます。

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猛男くんを真似て豪快に手でつまんで、いただきます。

チーズに野菜、そしてハム。まずくなるワケがないです。美味しい!

しかし‥
知らない味のはずなのに、どこかで食べた馴染みのある感じ。
一体どこで食べた何だろうか?と考えた結果、パン屋さんで食べたピザパンに似ている!と気づきました。

全体に広がるチーズの味、良い塩気になっているハム。
とろっとしたズッキーニにパプリカが入って、最後にふわっと香る小麦。

よく行く美味しいパン屋さんのも、同じ材料だったので強くそう感じたようです。

自宅で作るには、発酵が必要なパンよりも簡単。それなのに本格的に感じるケークサレ。
チーズが全体に混ぜてあるから、冷めても美味しいというのも魅力です。

大和さんならきっとパン作りも上手だろうに、ケークサレにしたのは、冷めても美味しいから?
それとも、ケークサレならハート型に出来るからかな?いやいや特別感があるからかな!
‥なんて終始妄想が膨らみ、ムフムフしてしまう一品でした。

熱い紅茶を入れて軽い朝食として、またはワインのお供にもオススメです。
もちろん作中のようにお外でデートする時にもピッタリなのです。

お好みのタイミングで、是非一度お試しあれ。

甘いと思って食べないでね!告白ケークサレ 前篇

〜もんどりうっちゃう恋のお話 の巻〜

今回作成するのは、漫画「俺物語!!」に登場するケークサレ。

俺物語!!は、少女漫画なのに少女漫画らしからぬ、だけどやっぱり少女漫画らしい‥素敵な作品です。

時に胸がキュンとして、時に友情にウルッときて‥
初恋のドキドキなんて忘れていたはずの、ホコリを被った心臓をも目覚ます作品です。

この作品の一番の特徴は、主人公がいかつい男子高校生ということ。
剛田猛男という名から伝わるように、猛男くんはとにかく男らしい。

黒々としたモミアゲに、柔道部のエースらしい骨太ムッキムキのたくましい体。
豪腕で正義感の強い彼は、同性には好かれるものの、異性にはちょっと引かれてしまいがち。まったくモテません。

そして、猛男君の鏡のような存在が、幼なじみの砂川くん。
クールで綺麗な顔立ちをしている彼は、異性に大人気。
猛男くんが片思いする相手は、ことごとく砂川くんに好意を抱きます。

ある日、猛男くんは通学中に痴漢から助けた女の子、大和さんに一目惚れ。

でも、大和さん今までの女の子たちと同様、砂川くんに気があるような‥?
だからと言って、砂川くんにひがみを持たないのが猛男くんの良い所。

「助けた子がいい子だったということでオレは明日も強く生きられる」
そんな潔さをもってして、大和さんの恋愛相談を請け負う気、満々なのです。

お菓子作りが好きな大和さんは、作中で何度もお菓子を持って来ているのですが、ケークサレはその中でもちょっと特別。

初めて猛男くんが大和さんに呼び出され、二人きりで会った時のこと。
「いつもケーキばっかりだとなにかなーと思って‥」と、登場するのです。

ケークサレはフランス菓子で塩味のケーキのこと。お惣菜感覚で楽しめる一品です。

マカロンにザッハトルテ、チーズケーキと製菓に特化した大和さんなので、ケークサレもさぞ本格的なことでしょう!これは作らずにはいられない。

ということで、調理スタートです。

【用意するもの】
002
まずは生地の材料。
グレープシードオイル、ブラックペッパー、牛乳、薄力粉、パルメザンチーズ、ベーキングパウダー、塩、卵

グレープシードオイルはクセがないのでお気に入り。
勿論、サラダオイルやオリーブオイルでもOKです。

005
次に、生地に入れるフィリング。
ブロッコリー、パプリカ、ズッキーニ、ハム

今回はオーブンを使用するので、調理開始する前にオーブンを180℃で予熱開始するのを忘れずに。

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フィリングに使用する野菜は、みじん切りにします。
パプリカの色がとても鮮やかで、出来上がりに映えそう!

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耐熱容器に入れて、ラップを被せて電子レンジにかけます。

012
加熱した野菜は、ザルにあけて水気を切っておきます。

009
ハムもみじん切り。

011
ボウルに薄力粉とパルメザンチーズ、ベーキングパウダーを入れてふるいにかけます。
泡立て器でかき混ぜると、ふるうのと同じ効果があって楽ちん。

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次に、別のボウルに卵を割り、白っぽくなるまで泡立て器でかき混ぜます。

ハンドミキサーでやるのが一番手っ取り早くはありますが‥
作中での話で、大和さんがお菓子を作る時はハンドミキサーを使わず、「苦労してかたまっていくかんじが好き」とあるので、手動で頑張りました。

017
牛乳を注ぎます。

018
グレープシードオイルも加え、混ぜます。

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塩とブラックペッパーを加えます。

022
粉類を加え、スパチュラで切るように混ぜます。

024
フィリングのハム、野菜を加えます。

025
手早くざっと混ぜあわせます。

これで生地は出来上がり。
あとはこれを型に注いで焼けば、出来上がりです!

生地から見え隠れするピンクにレッド、グリーン。とてもカラフルで可愛らしいので、焼き上がりがとっても楽しみ。

次回、「いつかどこかで‥?」の巻に続きます。