アナグマとウサギの奥さんのしょうがパン 後編

前篇の「パンなのか、ケーキなのか、クッキーなのか?」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!

〜ウサギさんの型がないの の巻〜

クッキー生地を作り終え、冷蔵庫で寝かせること1時間。
お次はいよいよ型取りです!

001
絵本の挿絵にあったように、小麦粉を生地にふりかけて打ち粉にし、めん棒で伸ばします。
厚さは5〜7㎜目安。

そしてここが今回のクッキーの最難関。
アナグマとウサギの奥さんが作っているそれは、可愛らしいウサギの形をしているのです。

しかし、ピッタリくるクッキー型がなかなか見当たりません。

どうしたものかと考えあぐねましたが、結局挿絵のウサギ型を見つつ、クッキングシートで大まかな雰囲気をつかんだ型紙を作成。

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生地の上にそれを貼って、ナイフでくり抜きました。
目は箸を刺せば出来上がり。

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地道な作業を黙々と続け、

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ウサギを増やします。

すべて型取りを終えたら、余熱済みのオーブンで15分ほど焼きます。

お菓子作りはこの焼き上がりを待つ瞬間が楽しいです。
焼き上がりが近づくにつれ、フワッと甘い香りが立って待ち遠しいったらない。

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焼き上がりはほんの少し柔らかいですが、バットで冷ますとちょうどよくなります。
クッキーはくれぐれも焼きすぎない、というのが訓戒です。

ビストロ・アニメシ 前田未希 絵本のお菓子の作り方 わすれられないおくりもの しょうがパンの作り方 しょうがパンのレシピ ジンジャーブレッドクッキーの作り方 スーザン・バーレイの絵本に出てくるクッキー
余熱をとったら、出来上がり。
山盛りウサギになりました。

ビストロ・アニメシ 前田未希 絵本のお菓子の作り方 わすれられないおくりもの しょうがパンの作り方 しょうがパンのレシピ ジンジャーブレッドクッキーの作り方 スーザン・バーレイの絵本に出てくるクッキー
ウサギさん、わりと絵本に似せることができたかな?

全く計算していなかったのですが、ふちがほんのりと濃い焼き色になって、野うさぎみたいで可愛くなりました。

シナモンの香りに、三温糖とバターのまろみがかかった香り。
しょうがパウダーを多めに入れたので、味がとがってしまわないかちょっと心配でした。

いよいよ、まだほんのり温かいクッキーを、ひとくち。

外側は、カリッコリっという音がなるしっかりとしたクッキー。
でも、硬いわけではありません。中がほのかにしっとりとしてほろけて、ちょうど良い感じ。

うん、美味しいです。
シナモンとしょうがの香り高く、それでいてバターがそのとがりを抑えていて優しくまとまっています。

イギリスの伝統を感じる、ほっとするけれども洗練された味。
コーヒーや紅茶にぴったりのクッキーです。

薄茶色のウサギさんクッキー、可愛らしくて食べるのが勿体ないなぁと思いつつ、素朴で後引きます。
早々に食べつくしてしまいました。

レシピがアナグマさんからウサギの奥さんへと受け継がれ、アナグマさんが遠いところに行っても、レシピを通じて思い出して偲ぶことができる。

「皆誰にも、何かしら、アナグマの想い出がありました。
アナグマは、一人一人に、別れた後でも、
宝物となるような、知恵や工夫を残してくれたのです。
皆はそれで、互いに助け合うこともできました。」

まさに作中の言葉の通りなんだろうな、と感じました。

最後の雪が消えて、皆の悲しみも癒えたころ。
春の訪れとともに、アナグマを思い出して皆で談笑するシーンを想像します。

暖かな陽気につられて、外でお茶会なんかして、そんな時、このクッキーがそこにありますように。

しんみりしつつ、良い気分になる一品なのでした。

アナグマとウサギの奥さんのしょうがパン 前編

〜パンなのか、ケーキなのか、クッキーなのか? の巻〜

今回作成するのは、スーザン・バーレイ著の絵本「わすれられないおくりもの」に登場するしょうがパン。

このお話は小学校の国語の教科書にも採用されている有名なお話なので、ご存知な方も多いかもしれません。

子供へ向けて作られた、身近な人の「死」と向き合う話。

お話に登場するのは、いつも森の皆から慕われていた、賢くて物知りなアナグマ。
穏やかな森での、年を取ったアナグマが死に、そして死んだあとの皆が描かれています。

死に行く、というと恐れや悲しさが心を支配してしまいがちですが、アナグマの死の瞬間は、彼の夢として受け入れやすく描かれていて、それは決して絶望ではありません。

ある夜、長いトンネルを走る夢を見ながら死んだアナグマ。
トンネルを進めば進むほど、重かった足が軽くなり、いつぶりか走れるようになって、どんどん奥へと進みます。

生から死への道をトンネルに揶揄して、死の世界へ行ったことで生での苦しみから解放される。
アナグマは、十分に生きたからなのか、死を静かに受け入れ、どこかほっとしたかのような描写が印象的です。

「長いトンネルのむこうに行くよ、さようなら アナグマより」
アナグマの死を受け入れられないのは、そんなアナグマの最期の手紙を読んだ森の皆。

悲しみが森を覆いますが、それでも四季は変わり、アナグマのいない世界が始まります。
それぞれがアナグマとの思い出を語り、彼を偲ぶことで気持ちを整理して、前へと進んでいく。

子供の頃に読んだ印象は、「トンネル」の薄暗い雰囲気が少し不気味で不安で、でも読後感は悪くなかった記憶があります。

なかでも、皆がアナグマとの思い出を語るところは、本当にアナグマが好かれていたこと、人格者だったことを物語っていて、それが嬉しくて。

誰もが知っている料理上手なウサギの奥さん。
でも、彼女に最初に料理を教えたのはアナグマでした。

アナグマとウサギの奥さんが、二人で楽しそうに作る「しょうがパン」。
挿絵には、クッキーのような生地を伸ばすアナグマに、ウサギ型で生地をくりぬく奥さんの姿。

しょうがパンってクッキーみたいなのかな?と子供心に疑問を抱いたものです。

ということで、今回は謎を解明するべく、しょうがパンの作成です。

【用意するもの】
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薄力粉、シナモンパウダー、三温糖、バター、卵、塩、ジンジャーパウダー

「しょうがパン」というとフワッとしたパンをイメージしてしまいますが、英語に戻すと元の意味が解明されていきます。

「ジンジャーブレッド」とは、イギリスの家庭で古くから親しまれているお菓子の一つ。
日本ではあまり一般的なものではないかもしれませんが、欧米ではとても馴染みのある食べ物です。

生姜の香りと黒砂糖の甘さがやさしい味わいのジンジャーブレッド。
パウンドケーキのような形でしっとりとしたタイプと、よく「ジンジャーマン」でおなじみのクッキータイプがあります。

では2種類のうち、どちらのジンジャーブレッドなのか?
悩みに悩んだのですが…「しょうがパン」というと、しっとりしたタイプ?と思いもしましたが、ウサギの奥さんのようにウサギ型にするには、クッキータイプがベスト!という結論に至りました。

ということで、無事にウサギ型のジンジャーブレッドはできるのでしょうか?

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薄力粉、シナモンパウダー、ジンジャーパウダーはふるいにかけます。

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バターは常温にしておいたものを泡立て器で混ぜ、クリーム状にします。

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バターに三温糖と塩を何回かに分け、加えます。

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よく混ぜて、空気が入って白っぽくなったらOKです。

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溶き卵も加えます。

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同じように、空気を含んで白っぽくなるまで混ぜます。

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混ぜ終えたら、ふるいにかけた粉類を加えて、ゴムベラで混ぜます。

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切るようにさっくりと混ぜていきます。

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粉っぽさがなくなり、ひとかたまりになったらOK。

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ラップに包んで、冷蔵庫で一時間寝かせます。

ジンジャーブレッド独特の薄茶色が良い感じ。
今のところは香りも良く、生地の状態もまずまず。

でも、クッキーは焼きあがって食べる瞬間まで成功がわからないですからね!

次回、「ウサギさんの型がないの」の巻に続きます。

毎年のおたのしみ

もう随分経ちますが、バレンタインのお話を。

最近はあまりにも各デパートのバレンタインフェアが意気込んでいて、恋人へ愛の告白という本来のイベントとは違った楽しみをしています。

私にとってそれは、一年に一度、最高の贅沢な買い物の日。
デパートの特設会場を練り歩き、選りすぐり、至高の一品を買い求めるのです。

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今年購入したのは、イタリアの高級チョコレートVESTRI(ヴェストリ)でした。

写真はアンティーカ・ジャンドゥイア・ミニ。

日本に店舗がないということと、店員さんが様々な味を見させてくれたもので、購入を決めました。
それに、「スプーンですくって食べるチョコレート」というコンセプトに惹かれました。

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ミルクチョコレート「フィオレンティーナ」と、ピスタチオを練り込んである「ピスタッキオ」のセット。
おまけについている黄金スプーンも可愛くてちょっと嬉しい。

常温のねっとりとした状態で食べても良いし、温めてトロトロにしても。
ナッツの濃厚でクリーミーな味わいが最高です。

王道とは違うけれども、これはこれで最高。
まさにイタリアの強みが出ているチョコレートでした。

ちなみに、「1年に1つ」と言いつつ、ボンボンショコラ好きな私はボンボンショコラも購入しました。
新作のリモーネ(レモン)、アランチャ(オレンジ)、アル・サーレ(塩)、オーリオ(オリーブ)どれも全て素晴らしく、至福のひと時でした。

柑橘系のチョコレートは、とってつけたような安いフレーバー感が苦手だったのですが、これは美味しかった。
同じく、塩やオリーブも食べるまで懐疑的でしたが、絶妙な塩梅でバランスよく構成されていて感激。
とくにオーリオは口どけが良く、リピートしたくなる完成度でした。

来年は何を買おうか?今から楽しみです。

チョコレートを食べたくなって思い出した、バレンタインの楽しみでした。

お父さんの好物・キノコのクルミ和え 後篇

前篇の「キノコは平和の証」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!

〜コレコレ! の巻〜

クルミ和えのタレを作ったら、お次はキノコに下味をつけます。

【用意するもの】
003
醤油、砂糖、酒、だし汁、舞茸、ひらたけ

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シイタケだとひねりがない、というか馴染み深すぎるので‥

長考した結果、メインはひらたけ、サブ的に舞茸をちょっと加えることに。
森で見かけて、「これ、父さんの食べていたキノコのクルミ和えのキノコに煮ている!食べられそう!」と思う形だけれども、実は毒キノコ‥にも見えそうな感じを活かしたいところです。

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キノコは2種類とも根を切り落として、手で食べやすい大きさに裂きます。

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ひらたけは形状を残した仕上げにしたいですが、味染みをよくしたいので縦半分に切ります。
大きさに合わせて、適当にカット数は調整します。

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鍋に調味料をすべて加え、煮立てます。

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キノコを加えてひと煮立ち。

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蓋はせずに10分ほど弱火〜中火で煮ます。

煮終えたら火を止めて、熱を冷まして味を染みさせます。

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冷めたらザルにあけて水気を切ります。

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あとは、ボウルにキノコを入れ、クルミ和えのタレを加えてざっと混ぜます。

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お父さんの大好物のつまみ、キノコのクルミ和え完成です!

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見た目は素朴だけれども、キノコとお出汁の良い香りがして美味しそう。

一口頂くと、まず訪れるのはクルミ和えの甘味噌。
そして、ザクッとしたクルミの食感を楽しんだら、その後からキノコからじゅっと煮汁が出てきます。

うん。丁寧に下味をつけて、外側と内側でしっかり構成されていて、非常に美味しいです。

美味しいお酒と共に、じっくり楽しみたい。
お父さんが大絶賛するのが分かる!この料理を思い出すのも納得な一品なのでした。

小料理屋さんで突き出しに出ると嬉しい小鉢の味です。
こんな一皿をさっと出せるお母さん、素敵です。

回想シーンで時折伺える、サトル君の幸せな家族。
キノコのように痛い目にあうこともありますが、中にはふとした思い出からサバイバルを生き抜くヒントを得たり、苦手打破をしたりします。

いつの日か、サトル君がこれを毒キノコではなく安心して食べられる生活を迎えられますように‥と願う回でした。

お父さんの好物・キノコのクルミ和え 前篇

〜キノコは平和の証 の巻〜

今回作成するのは、さいとうたかを氏のマンガ「サバイバル」に登場するキノコのクルミ和え。

さいとうたかを先生といえばゴルゴ13が有名ですが、このサバイバルも素晴らしい!

突如発生した大地震。
友人たちと洞窟探検中だった主人公サトルは、奇跡的に助かります。

目が覚めた時には、文明は海の底。
訳がわからないながらも、生きるために動き出す少年の姿が描かれています。

あまりにも急に始まった、何もない状態で始まるサバイバル。
主人公が平凡な少年で、特別な知識を持たず、それこそ手探りで生きる力を発揮するというのが面白さの秘訣です。

なんとかして採った魚を抵抗がありながらも生で食べたり、
昔習った知識で、思うように火が起こせなかったり。

嫌いな鶏肉も、なんとか得られた貴重な食料として食べたり、
キノコを見つけて喜んで食べて、それが毒キノコだったり‥

決して挫けず、いつか家族に再開する為に、どんどん逞しくなる少年の姿が見ものです。

今回は、そんなサバイバル生活の中での回想シーンから。
キノコを見かけて、ふと平和だった頃の父親とのやり取りを思い出すサトル。

晩酌中の父親が、それは美味しそうに食べているのが「キノコのクルミ和え」です。
父親は「お酒のツマミにはコレが一番」と舌鼓を打つ母親の料理です。

キノコのクルミ和え。
お店で必ず見かけるものではないですし、おつまみのチョイスとしては、渋いですよね。

ただ、お父さんの顔がその美味しさを物語っているんです。
育ち盛りでもっと食べでのあるもののほうが食いつきそうなサトルも、その顔が印象的だったのでしょう。

ということで、食べてみたい!なので作ります!

【用意するもの】
005
酒、みりん、クルミ、味噌、すり胡麻、砂糖、だし汁

まずはクルミ和えのタレ作り。

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フライパンでクルミを乾煎りします。

012
クルミの表面にほんのり焦げ目が付いたら火からおろします。

011
酒とみりんを鍋に入れて沸騰させ、アルコールを飛ばします。

015
クルミをすり鉢にいれてすります。

016
あまり細かく擦りすぎると食感が残らないので、ザクザクとした食感が残るように少しいびつさが残る程度でストップ。

017
味噌、砂糖、酒、みりん、すり胡麻を加えてよく混ぜます。

018
混ぜ合わせると、ねっとりと練り状になります。
このままだと扱いづらい上に、少し濃い味。

021
なので、様子をみつつ、だし汁で伸ばします。

022
だし汁で伸ばし終えたら、クルミ和えのタレが完成!

お次はキノコの下準備です。
キノコといえば、シイタケ、エノキダケ、エリンギダケなどなどありますが‥

見た目が適しているのは一体どれでしょう??

次回、「コレコレ!」の巻に続きます。