前篇の「昭和の懐かしのデザート」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!
〜ツルツル‥じゃなくて、フワッフワ の巻〜
アングレーズソースが出来上がったら、いよいよタエ子さんが頑張っているホイップの泡立てシーン!
夏の暑い日。エアコンのない古いお家を想像しつつ、氷水に当てながら泡立てます。
ババロアというと、見た目がゼリーのようにツルツルとしていて、食感も水水しくプルンっとしたものを想像される方も多いのではないでしょうか。
でも、ホイップの泡立て具合によってはふわふわのシュワっとした口どけタイプになります。
どちらにするか迷ったのですが、作中でタエ子さんがかなり泡立てを頑張っているのです。
これは生クリームに空気を入れてふわふわにしたいんだな、というほどに。
懐かしい雰囲気の純喫茶などでもたまに見かける、ふわふわタイプのババロア。
今回はそっち路線で作ってみます。
混ぜて混ぜて、空気を含ませて、大体7分立てくらい。
もったりとして、垂らすと跡ができてすぐ、消える頃合いが目安です。
アングレーズソース、みかんと生クリームをよく混ぜます。
みかんのつぶつぶが見えて良い感じ。
余ったみかんをカップにセットして、
混ぜたものを注ぎます。
あとはこれを冷やし固めれば、出来上がり!
タエ子さんは最後の夜に皆に振舞うつもりだったのかな?
それとも、翌朝のデザートかな?妄想は膨らみます。
型にあらかじめ水を塗っておいてから、爪楊枝で空気を入れると綺麗に取り出せます。
作中にちょくちょく登場する、姪の中学生のナオ子ちゃんが笑いながらお手伝いしそうですね。
ちょっとムースにも近い、軽やかさ。スプーンがすっと入ります。
一口食べると、ひんやりとしていて夏にはもってこい。
バニラアイスのように柔らかで懐かしい香りが口の中でしゅわっと広がります。
缶詰のみかん、というのがまた良い感じにノスタルジックな気分にさせてくれます。
プチプチとした果肉の食感が口に爽やかさも与えてくれています。
ババロアなんてそんなに食べた覚えもないのに感じる、懐かしさ。不思議ですね。
断面をみるとわかるように、本当にアイスクリームみたいです。
でも、ふわふわで軽くって、アイスクリームとはまた違った口どけの良さ。
タエ子さんには複雑な気持ちを抱きながらの時間になってしまったかもしれないけれど、きっと皆で珍しがったり、おばあちゃんがゆっくり食べて褒めそやしたりしそうです。
ちょっと前の時代のおしゃれを感じるババロア。
いつか、トシオさんにも振舞ったりするのかな?と物語のその後をも想像して楽しくなる甘い一品なのでした。