海軍カレーではない?

ビストロ・アニメシ ジブリ コクリコ坂から カレー
以前に当ビストロでご紹介した、コクリコ坂の古き良き昭和の味?コクリコカレー

このメニューは、考案段階で「一体どんなカレーなのか?」という問題にぶち当たりました。

他のアニメシに比べて、作中では極めて現実感のあるごく普通なカレーです。
単にカレーを作って、「コクリコ坂のカレーです!」というのでは名ばかりになってしまいます。

主人公の海ことメルちゃんが作ったカレーの特徴とは‥?
様々な検証がスタートしました。

舞台は1963年の横浜。
父親は船乗りで、遭難して以来行方不明。

船乗りで横浜といえば、海軍カレーが有名です。
海軍カレーとは、大日本帝国海軍に由来を持つ、艦内での乗組員の栄養に配慮した伝統的なカレー。

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小麦粉を入れてトロミをつけた、日本のカレーの代表、とも言われているカレーです。

海軍なのかは不明ですが、お父さんが船乗りならば、もしやメルちゃんは海軍カレーを作っているのでは?
ということで、当ビストロでは当初海軍カレーを作ろうとしていました。

調べてみると、現在では各艦艇・部署ごとに独自の秘伝レシピがあり、どれも隠し味や配合がスゴイ!

ブルーベリージャムやチョコレート、福神漬にワイン、セロリ‥

インドからイギリスへ、その後日本にたどり着いたものだけあって、それはそれは本格的で、まさに異国情緒溢れる本格的カレーです。

とても美味しそうですが、ふと、夕暮れの商店街で豚コマを買うメルちゃんがこんなに本格的なカレーを作るのか疑問が生まれ、海軍カレーではないのでは、という結論に。

そこで今度は、「1963年」というキーワードに着目です。

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翌年には東京オリンピックを控え、「新しいものこそが素晴らしい」という風潮になっていた時代。

作品のなかでは、若者たちが名物のカルチェラタンという建物の存続をめぐって、「古くても素晴らしいものがある」ということを大人たちに切に訴えます。

新しさと古さが混沌とした時代、文明が開かれる背景には、淘汰されるものの物悲しさがあります。

海軍から、一般に広まり始めた「カレー」という食べ物は、新しさの1つの象徴かもしれません。

しかし、一般家庭では海軍レシピは材料や家計の問題で作れないものだったのでは?

お肉も、牛肉ではなく豚肉。
カレールーだってまだ開発されていません。

ちょっと黄色っぽくて、粉っぽい、洋風とは言えない質素な味。

メルちゃんの作ったカレーは、昭和の一般家庭の工夫の一品なのです。

新しさの土台には、古さがあります。

イギリスから伝わったままではない、この一般家庭の黄色いカレー。
ここから改良に改良を重ねて現在のコクのある茶色のカレーが誕生したと考えると、日本のカレーも誇れる日本食なのかもしれません。

黄色くて、ソースで味を足す、古き良き昭和のカレー。是非ご賞味ください。

‥とは言っても、本格的な海軍カレーも一度は食べてみたい!と思ったスタッフ一同なのでした。

「海軍カレーではない?」への2件のフィードバック

  1. 海上保安庁も船の食事はボイラーの高温の蒸気で炊くので美味しいとOBの方から聞いたことがあります。

  2. クロ様
    コメントありがとうございます。
    ボイラーの高温の蒸気‥!なんだか圧力なべなど目ではない本格さですね!
    なかなか実現は難しいですが、食べてみたくなりました(^-^)

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