アナグマとウサギの奥さんのしょうがパン 前編

〜パンなのか、ケーキなのか、クッキーなのか? の巻〜

今回作成するのは、スーザン・バーレイ著の絵本「わすれられないおくりもの」に登場するしょうがパン。

このお話は小学校の国語の教科書にも採用されている有名なお話なので、ご存知な方も多いかもしれません。

子供へ向けて作られた、身近な人の「死」と向き合う話。

お話に登場するのは、いつも森の皆から慕われていた、賢くて物知りなアナグマ。
穏やかな森での、年を取ったアナグマが死に、そして死んだあとの皆が描かれています。

死に行く、というと恐れや悲しさが心を支配してしまいがちですが、アナグマの死の瞬間は、彼の夢として受け入れやすく描かれていて、それは決して絶望ではありません。

ある夜、長いトンネルを走る夢を見ながら死んだアナグマ。
トンネルを進めば進むほど、重かった足が軽くなり、いつぶりか走れるようになって、どんどん奥へと進みます。

生から死への道をトンネルに揶揄して、死の世界へ行ったことで生での苦しみから解放される。
アナグマは、十分に生きたからなのか、死を静かに受け入れ、どこかほっとしたかのような描写が印象的です。

「長いトンネルのむこうに行くよ、さようなら アナグマより」
アナグマの死を受け入れられないのは、そんなアナグマの最期の手紙を読んだ森の皆。

悲しみが森を覆いますが、それでも四季は変わり、アナグマのいない世界が始まります。
それぞれがアナグマとの思い出を語り、彼を偲ぶことで気持ちを整理して、前へと進んでいく。

子供の頃に読んだ印象は、「トンネル」の薄暗い雰囲気が少し不気味で不安で、でも読後感は悪くなかった記憶があります。

なかでも、皆がアナグマとの思い出を語るところは、本当にアナグマが好かれていたこと、人格者だったことを物語っていて、それが嬉しくて。

誰もが知っている料理上手なウサギの奥さん。
でも、彼女に最初に料理を教えたのはアナグマでした。

アナグマとウサギの奥さんが、二人で楽しそうに作る「しょうがパン」。
挿絵には、クッキーのような生地を伸ばすアナグマに、ウサギ型で生地をくりぬく奥さんの姿。

しょうがパンってクッキーみたいなのかな?と子供心に疑問を抱いたものです。

ということで、今回は謎を解明するべく、しょうがパンの作成です。

【用意するもの】
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薄力粉、シナモンパウダー、三温糖、バター、卵、塩、ジンジャーパウダー

「しょうがパン」というとフワッとしたパンをイメージしてしまいますが、英語に戻すと元の意味が解明されていきます。

「ジンジャーブレッド」とは、イギリスの家庭で古くから親しまれているお菓子の一つ。
日本ではあまり一般的なものではないかもしれませんが、欧米ではとても馴染みのある食べ物です。

生姜の香りと黒砂糖の甘さがやさしい味わいのジンジャーブレッド。
パウンドケーキのような形でしっとりとしたタイプと、よく「ジンジャーマン」でおなじみのクッキータイプがあります。

では2種類のうち、どちらのジンジャーブレッドなのか?
悩みに悩んだのですが…「しょうがパン」というと、しっとりしたタイプ?と思いもしましたが、ウサギの奥さんのようにウサギ型にするには、クッキータイプがベスト!という結論に至りました。

ということで、無事にウサギ型のジンジャーブレッドはできるのでしょうか?

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薄力粉、シナモンパウダー、ジンジャーパウダーはふるいにかけます。

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バターは常温にしておいたものを泡立て器で混ぜ、クリーム状にします。

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バターに三温糖と塩を何回かに分け、加えます。

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よく混ぜて、空気が入って白っぽくなったらOKです。

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溶き卵も加えます。

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同じように、空気を含んで白っぽくなるまで混ぜます。

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混ぜ終えたら、ふるいにかけた粉類を加えて、ゴムベラで混ぜます。

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切るようにさっくりと混ぜていきます。

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粉っぽさがなくなり、ひとかたまりになったらOK。

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ラップに包んで、冷蔵庫で一時間寝かせます。

ジンジャーブレッド独特の薄茶色が良い感じ。
今のところは香りも良く、生地の状態もまずまず。

でも、クッキーは焼きあがって食べる瞬間まで成功がわからないですからね!

次回、「ウサギさんの型がないの」の巻に続きます。

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