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〆はやっぱり

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前回、ビストロ・アニメシではるろうに剣心に登場する赤べこの牛鍋を再現しました。

今のすきやきの元となった、明治初期の牛鍋。
ぶつ切りの牛肉に、赤味噌だれという見慣れない姿に一体どうなることかと思いましたが‥
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出来上がりはご飯の進む美味しい一品となりました。

これだけでも食べごたえ満点ですが、鍋といえば〆は麺類。

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見詰まった味噌だれに、だし汁を加えます。
だし汁がない場合は、お酒でも大丈夫です。

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そこにうどんを投下し、そのまましばらく煮込みます。
ふつふつと煮えてきたら、軽く麺を混ぜます。

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最後にお好みで、卵を落として蓋をし、火を止めます。

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普段のすき焼きだと、〆のうどんの頃には具は小さいものだけ。
それはそれで美味しいのですが、こんなに贅沢な〆もたまには良いものです。

作りたてに比べて味が染み込んでいて、だし汁で薄めて丁度良い塩梅です。

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卵をほぐして麺に絡めて召し上がれ。
お腹いっぱいだったはずなのにするっと入ってしまいます。

どこかで食べたような気が‥と思えば、名古屋名物の味噌煮込みうどん!

明治初期の人々が、牛鍋屋さんで〆にうどんを食べたかは定かではありませんが‥
なんにせよ、〆のうどんは旨みたっぷりで最高。

一体誰が始めたものなのか不明ですが、先人の発見に感謝しつつ、舌鼓を打つビストロ・アニメシなのでした。

赤べこの牛鍋 後編

前篇の「おろろ、これが牛鍋?」の巻をお読みでない方は、まずはコチラから!

~すけばすきやき、すかなきゃ牛鍋 の巻~

味噌だれが出来上がったので、次は具材の準備。
すき焼きの牛肉といえば薄切りの牛肉ですが、今回はなんと‥

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ステーキ用の厚みのある牛肉を使います。
味噌だれに続き、この牛肉の厚みこそ今回のポイント。

すき焼きの元となった明治初期の牛鍋は、牛肉がぶつ切りだったそうです。
何でも酒飲みで豪快な店主さんが、牛肉を薄く切るのを億劫がった結果で、お客は肉厚な鍋に大喜びしていたそう。

とは言え決して安いものではないので、時代とともに牛肉は薄切りになっていき、味つけも変わり名称も「すき焼き」に変化したそうです。
諸説ありますが、牛肉を薄く「すく」からすき焼き、ぶつ切りだと牛鍋ということです。

味噌だれで煮る、ぶつ切りの牛鍋‥ますます出来上がりの味は予想不可能になってきます。

【用意するもの】
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牛肉、焼き豆腐、葱、春菊、味噌だれ、生卵、牛脂

明治初期の牛鍋は、牛肉と葱のみだったようです。
しかし作品を見てみると、牛肉と葱のほかに豆腐と春菊が確認できたので、今回は豆腐と春菊をプラス。

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焼き豆腐は8等分に切ります。

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葱は適当な長さに斜め切りに。

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春菊は三等分にします。

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食材が出揃ったところで、鉄鍋に牛肉を半量並べます。

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並べ終えたら、半量の味噌だれを上からかけます。

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2つほど葱を上に刺せば、出来上がりはもう目前。

今回の牛鍋作成は、明治元年創業の元祖牛鍋屋「太田なわのれん」さんの牛鍋を参考にさせて頂きました。
明治時代、お客さんにはこの状態で牛鍋が提供されていたようです。

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牛脂を軽く回し塗ります。

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牛肉と葱に、味噌だれが絡まるようにしっかり混ぜます。
混ぜ終えたら点火し、ぐつぐつ煮えるのを待ちます。

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赤味噌の独特な香りが立ち込め、牛肉も煮えてきました。

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ぐつぐつ煮えたら、葱と焼き豆腐を加えてもう一煮立ち。

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葱と焼き豆腐にも、しっかりと味噌だれを絡めてあげます。

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春菊はすぐ煮えるので、出来上がるぎりぎりに入れます。

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あとは、煮ている間に卵を溶いて‥

牛肉 るろうに剣心のすき焼き るろうに剣心の牛鍋 ビストロ・アニメシ
火が通ったら、出来上がり!

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お豆腐と牛肉が同化しているという、贅沢で見慣れない光景です。

牛肉 るろうに剣心のすき焼き るろうに剣心の牛鍋 ビストロ・アニメシ
卵に絡めて、いただきます。

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まず一口目は、ぶつ切りの牛肉!

安いお肉なのに、とても牛肉の味が引き出されていて美味しいです。
程よい食感に、獣臭さもなく、味も染みています。

お味噌の風味と牛肉本来の味が相まって、食べでのある味噌炒めのよう。
もぐもぐと頬張る感じがたまりません。

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卵はつけても美味しいけれど、なくても十分に味が出来上がっています。
食べて一口目で、ご飯が欲しくなる味。

牛肉以外の、葱や春菊、焼き豆腐も味噌にピッタリで、どれも邪魔をすることなくまとまっています。
牛肉を頬張り、次は野菜を食べ‥味の染みた焼き豆腐もいいなと、ほどよいローテーションで飽きることなく楽しめます。

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お鍋が空になりそうな位まで食べ進めたら、残りの牛肉を入れて同じ要領で作ります。
最初は結構なボリュームがあったので食べきれないかと思ったのですが、これがいけてしまう不思議。

見た目は濃厚そうな赤味噌ですが、案外さっぱりとしてます。
しっかり味が染み込んでいるのにくどくないので、最後まで美味しく頂けました。

足繁く剣心たちが赤べこに通うのも納得。
明治時代の庶民の食卓を感じる、そんな一品なのでした。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

赤べこの牛鍋 前編

~おろろ、これが牛鍋? の巻~

今回作成するのは、るろうに剣心に登場する赤べこの牛鍋。

るろうに剣心は明治時代初期の日本が舞台で、流浪者・緋村剣心が主人公の物語です。
一見ほんわかと穏やかな剣心ですが、実は幕末に「人斬り抜刀斎」として名を知らしめた伝説の人。

明治維新の際に「殺してはいけない人を殺してしまった」らしく、維新後は人を決して殺さないと言う誓いのもと、全国を旅します。

物語は、そんな旅の途中に着いた東京での剣心と様々な人、事件が描かれています。

それぞれが時代を変える為に突き進み、何かを失った激動の時代。
維新後すぐに時代が良くなる訳もなく、まだまだ苦しくても、人々は生きる道をたくましく探します。

そんな荒削りの時代、文明開化の象徴の1つが、この「牛鍋」。
開港と共に広まった牛肉を用いたハイカラな料理です。

作中では、皆で食事に行くとなると必ず牛鍋屋さん「赤べこ」が登場します。
「今日は牛鍋ね!」というと、老若男女が手をあげて喜ぶので、庶民のちょっとしたご馳走という位置づけだったのかもしれません。

七輪のような火の上に乗った鍋に、ぐつぐつ煮えるお肉。
「こら!そんなにお肉ばかり急いで食べると体に悪いよ!」
「はい、よく噛もうね」

がやがやとした中で皆で囲む牛鍋は、なんとも美味しそうです。

牛鍋は今で言う「すきやき」ですが、当時の味付けや見た目は一味違います。
一体どんな味になるのか皆目検討がつきませんが、作ってみるのみ!

という訳で、今回は赤べこの牛鍋に挑戦です。

【用意するもの】
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砂糖、八丁赤味噌、白味噌、酒

まずは牛肉を煮るタレを作ります。

明治の牛鍋は、なんと味噌仕立て!
当時は牛肉の質が悪く、獣臭さを取るために牡丹鍋のように味噌煮込みにしていたそうです。

八丁味噌 カクキュー 赤だし 金カップ 500g

今回のポイントは、八丁赤味噌を使用すること。
この色、香り‥一体どんな味になるのか、不安と期待が混ざります。

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ボウルに材料を入れて、混ぜあわせていきます。

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赤味噌に、白味噌‥

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砂糖、そしてお酒を注ぎこみます。

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あとはこれを、全体が馴染むまで丁寧に混ぜます。

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ちょっと‥よろしくないビジュアルですが、構わず混ぜ続けます。

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しばらくすると味噌と酒が馴染み、とろみがかります。
これで味噌だれが出来上がり。

次は牛鍋の具を用意します。

牛というからには、主役の具は牛肉ですが、なんと‥!

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この分厚さは一体?

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牛肉ロースステーキ用‥??

次回、「すけばすきやき、すかなきゃ牛鍋」の巻に続きます。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□