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ニナのお母さんが作るレモングラスクッキー 後編

前篇の「クッキー、それは王道で難所」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!

〜サクッとした食感が大事 の巻〜

レモングラスを足すか迷った挙句、入れすぎてくどい、というが一番避けたいなという結論に落ち着きました。

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ということで、材料をざっくりと混ぜます。

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ラップに包んで、

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親指と人差し指で輪を作って、細長い筒状に形を整えます。

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こんな感じ。

形が整ったら冷凍庫に入れて冷やし固めます。
時間がない場合は冷蔵庫でも。

ニナのお母さんのクッキーは丸くて、家庭で娘に作ってあげるクッキーといえばでアイスボックスクッキーが近いかなと思い浮かびました。

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よく冷えて固まりました。
生地にうっすらレモングラスが見えますね。

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生地が柔らかくならないうちに、包丁で一口大にカットしていきます。

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あとはこれを間隔をあけて並べて、170℃のオーブンで15〜20分ほど焼きます。

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良い感じの焼き色になりました。
焼きあがったらしばらく粗熱をとります。

作中では、おそらく焼きあがった頃に野菊がニナの母の元を訪れた感じかな?
出迎えて、紅茶やコーヒーを淹れたら、ちょうど良い頃合いになりそうです。

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「ちょうどクッキーを焼いていたの。甘いものは好きかしら?」

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それでは早速いただきましょう!

食べるとサクッとして、まだほのかに温かいです。

牛乳を入れた為、外側はハードな食感。ボリッとまではいかなくても、カリッとしています。
でも、中身までハードな食感はなく、中身はサクッとしていて全体的に軽い口当たり。

バターと相まってミルキーな味わいのなかに、レモングラスがほのかに香ります。
うん、美味しい!

レモングラスの加減もちょうど良いです。しつこくなく、それでいてしっかり香る。
食べる前は、レモングラスというとベトナムフォーに使うイメージが強くくせがあるのではないかと心配だったのですが、全く心配なし。

とても上品で、それでいて食べやすい味です。
シナモンよりもお子さんが食べるにはベストなハーブ・スパイスな気がします。

コーヒーや紅茶はもちろんですが、お子さんがミルクなどと一緒に食べるのにも向いているくせのない味でした。

クッキーって、家庭で作るお菓子の王道ですよね。
ちょっと硬くても、焦げ目が強くても楽しくて、美味しい。

娘の喜ぶ顔が見たくって、ニナのお母さんはなんども作ったことでしょう。
ハーブを入れるあたり、作り慣れているお菓子作り上手な雰囲気がします。

野菊の顔をほころばせる美味しさは、母の味。
温かさに包まれつつも、物語の展開を考えると、このシーンで悲しさが際立ちます。
ちょっぴり胸が苦しくなる、そんな一品なのでした。

ニナのお母さんが作るレモングラスクッキー 前編

〜クッキー、それは王道で難所 の巻〜

今回は松浦だるま著の漫画「累」の6巻に登場する一品です。

「累」は美醜がもたらす人生への影響、そして足掻きを描いた作品。

主人公は、類まれなる美貌と演技力で伝説となった女優「淵 透世」の娘である累(かさね)。
累は、母の美しさが嘘のような醜女です。

「母があの淵 透世なのが信じられない容姿」だと嘲られ、幼少期からいじめられる毎日。
醜いから父親に捨てられ、唯一頼れる母も亡くなった。

彼女の周りには、彼女を疎ましく思う人間しかいません。
誰からも愛されず、存在するだけで忌み嫌われる生活が続くなか、彼女に転機が訪れます。

それは小学校の学芸会のこと。
美しく意地の悪いクラスメイトから、「母親が女優さんなんだから、伝説の女優の子のシンデレラが見たいです」と吊るし上げ目的に主役に仕向けられた累。

彼女のなかのプライドが断ることを許さず、彼女は自分を笑う人々を見返す為に一生懸命練習します。

生れながらの才能か、それとも、醜く生れた為に渇望する明るい世界への執念がそうさせるのか、彼女の演技は神がかったものでした。

それでも、そんなものクラスメイトは望んでいない。
美しい者のたった一言で、つかの間の幸せは終わりを迎え、みじめな毎日に元どおりする‥

そのはずでした。

「口紅をぬって あなのたのほしいものに くちづけを」

亡き母の言葉を思い出した時、彼女は恐ろしい魔法を手に入れます。
母が遺した口紅をつけてくちづけをすると、相手の顔を奪うことが出来るというもの。

彼女は自分の醜い姿を捨て、美しい誰かになることを心に決めます。
でも、それは誰かの不幸の上に成り立つもの。そして、母の美しさもまた、誰かの不幸のもとに成り立っていたという因果が物語をより深い闇へと誘って行きます。

今回のクッキーは、そんな口紅の犠牲を受け、真相に近づく野菊という女性が食べたもの。
野菊は偶然にも、累が顔を借りているニナの母親と知り合います。

野菊がニナの母親にもう一度会いに来た時、「ちょうどクッキーを焼いていたの。甘いものは好きかしら?」ともてなされたクッキー。

野菊は「自分の母も生きていたらこんな時間を共に過ごすことがあっただろうか」と思い、また、ニナの母も娘を思い、悲しげな空気になるシーンです。

香りがよくてハーブのよう、と聞く野菊に向かって、「レモングラスがはいっているの」と教えてくれたニナの母。

サク、という音が想像力をかきたてます。
上品で優しげなお母さんの作るクッキー、是非食べたい!

ということで、調理スタートです。

【用意するもの】
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バター、砂糖、薄力粉、牛乳、レモングラス

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鍋に牛乳とレモングラスを数枚入れ、煮立てます。
数分、冷ましがてら蒸らして、レモングラスの香りを出します。

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牛乳の粗熱が取れるまでに、薄力粉は泡立て器でかき混ぜてきめ細かくします。

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残りのレモングラスを割いて、

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ハサミで細かく刻みます。

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刻んだレモングラスを薄力粉に加えて混ぜておきます。

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常温で柔らかくしたバターに砂糖を加え、すり混ぜます。

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薄力粉のボウルに、バターと牛乳を加えます。

混ぜる前にクンクン、と匂いをかぐと、レモングラスの香りがバターに隠れちゃっていて感じられなくてちょっと不安に。
焼きあがった香るかな?足したほうがいいかな?

足すなら混ぜる前の今。でも、上品に香る程度が良いし‥とちょっと考え込んでしまいます。
どうか無事に美味しく仕上がりますように!

次回、「サクッとした食感が大事」の巻に続きます。