カテゴリー別アーカイブ: 鋼の錬金術師

ウィンリィのアップルパイ 後編

前篇の「彼女がパイを再び作る、その日まで の巻」をお読みでない方は、まずはコチラ

~パイ生地に当惑する の巻~

ジュウジュウバチバチと、景気の良い音を発すりんご。
りんごから水分が出るとは言っても、煮るというよりは炒めるかのような水分量に、ちょっと不安になります。

131
10分経過して蓋を開けると、無事焦げることもなくしんなりしたりんごが。
りんごから出た水分でフライパンがくつくつ鳴り、砂糖も綺麗に溶けきっていて、ほっと一安心。

132
あとはりんごの水分を出しきるまで火にかけます。
ここで、お好みでシナモンを加えます。

134
ここでキャラメルソースを一匙。

MONIN キャラメルソース 500ml

キャラメルソースは、透き通ったもの・クリーム色のものどちらでもOKです。

135
りんごにキャラメルソースをからめます。

136
水分が飛び、りんごの端がすき通ったら火をとめます。

137
バットにりんごを並べて粗熱をとります。

138
粗熱が取れたら、ラップをして冷蔵庫へ。
これでりんごのフィリングが完成です。

002
パイ生地は冷凍庫で保存していた場合は、前日にあらかじめ冷蔵庫へ写して解凍させます。

003
これがパイ生地本体部分。

004
キッシュを作った時に余った部分が、上の飾りのパイ生地になります。

008
パイ生地はキッシュと同じ行程なので、今回は省略。

009
型に被せて端を切り揃えたら、冷蔵庫で生地を休ませます。

生地を休ませている間に、上の飾りに使うパイ生地の用意をします。

006
生地を麺棒で生地を伸ばします。
横に幅が広がったら、縦半分に折りたたみます。

007
折りたたんだ生地が一枚に馴染んだらOK。ラップにくるんで冷蔵庫で寝かせます。

これで全ての材料の準備が整いました。
アップルパイの出来上がりまであと少し!

ここでオーブンの余熱をスタートしておくとスムーズです。

パイ生地からバターが溶けないように、一連の作業はとにかくすばやく行います。

001
冷蔵庫からカスタードとフィリングをだします。

013
冷えたパイ生地にカスタードを注ぎます。

014
ちょうどパイ生地の半分の高さくらいに収まりました。

015
続けてりんごのフィリングを浮かべていきます。

016
全体にまんべんなくりんごが行き渡るように、少しずつ乗せていきます。

017
二個分のりんごが入って、パイの見た目が急にずっしりとしました。
りんごのフィリングがカスタードに埋もれすぎず、ちょうど良い塩梅です。

022
冷蔵庫から先程縦長に伸ばしたパイ生地を取り出し、適当な幅にカットします。

023
あとはこれをパイの上に乗せ‥

027
余った生地をより細長く切ります。

028
生地がちぎれないように気をつけてねじります。

029
ねじった生地でパイ生地の周りを縁取り。

030
卵を溶いて、卵液を用意。

031
ハケで全体に漏れがないようにたっぷりと塗っていきます。

033
あとはこれを焼くだけ!
‥正直なところ、焼きあがる前のパイのビジュアルは何とも微妙。

美味しく焼きあがりように願いつつ、いざオーブンへ!

200℃のオーブンで20分焼き、その後180℃に下げて20分焼きます。
温度はオーブンによって差があるので、様子をみて加減してください。

036
そしてついに焼き上がり!
パイ生地が均一に盛り上がり、焼き色も成功。

焼きあがると一気に美味しそうな外観になるとは、なんとも不思議なものです。

粗熱をとり、お皿にパイを移したらいよいよ‥

鋼の錬金術師 ハガレン ウィンリィ アップルパイ カスタードクリーム入り ビストロ・アニメシ
アップルパイの出来上がりです!

鋼の錬金術師 ハガレン ウィンリィ アップルパイ カスタードクリーム入り ビストロ・アニメシ
パイも無事にふっくら層になり、こんがり焼けています。
カスタードとりんごのフィリングの甘い香りがふんわり立ち込めて、これは食欲をそそります。

鋼の錬金術師 ハガレン ウィンリィ アップルパイ カスタードクリーム入り ビストロ・アニメシ
せっかくなので、焼きたてのうちに切り分けましょう。

鋼の錬金術師 ハガレン ウィンリィ アップルパイ カスタードクリーム入り ビストロ・アニメシ
淹れたての紅茶と共に、いざ実食!

‥これだけ手間がかかって、美味しくない訳がないのです。

バターたっぷり、ほかにもりんごにカスタードをふんだんに使ったアップルパイは最高です!

手作りのパイ生地は層になってサクサクの上、厚みのある生地の部分はまるでタルトのよう。
りんごのフィリングと生地との間にカスタードを挟んでいるので、生地がベチャッとしてしまわず無駄のない美味しさです。

りんごも水分が程よく飛び、トロッとしつつサクッとした心地良い食感。
果実の爽やかさとシナモンのスパイスが、甘ったるさを防いでいます。

048
アップルパイは通常、食べている時に中のりんごのフィリングがボロボロと崩れてしまいますが、カスタードのおかげでまとまりの良い仕上がりに。
生地にほどよく染み込んだカスタードが、最後の一口まで美味しくしています。

アニメの中で初めてウィンリィのアップルパイが登場するのは第31話 「520センズの約束」

今回は、グレイシアさんに教えてもらってから暫く経ったアニメに登場する“ウィンリィの”アップルパイの再現を試みてみました。

原作の漫画では、エドとアル、そしてウィンリィが食べるグレイシアさんのアップルパイが描かれたシーンがあります。
それは、今回作成したものよりも本格的な外観で、もっと上にパイが覆われた出来上がり。
しばらくして、ウィンリィが作ったアップルパイを食べるシーンもありますが、こちらも同じように本格的な外観。

作成時、その本格的なアップルパイを作るべきか迷いましたが、「それではグレイシアさんのアップルパイ」なのでは?と疑問を抱き、今回はアニメに登場するアップルパイを選択しました。

表面に乗せるパイ生地が少なめで、パイの縁には独特の飾りがあるのがウィンリィ流。

きっと、グレイシアさんに教えてもらってから何度も作るうちに、自分なりのアレンジを加えたのではないでしょうか。

パイ上手なグレイシアさん流は、パイの食感を損なわないように、シンプルなりんごのフィリングのみのアップルパイだったのかもしれません。

あえてカスタード入りなのは、「体を取り戻したアルのために、栄養たっぷり、より美味しくしたい」というウィンリィの気持ちを込めた結果なのです。

カスタードを入れることで、香りも良く、コクのあるアップルパイに仕上がりました。
これなら、エドとアルも気に入ってくれるはず。

長旅で疲れた時には、こんな風にどっしりと甘いものが体に染み渡るもの。

やんちゃな幼馴染二人を持つ、ウィンリィならではの愛情を感じる一品なのでした。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

ウィンリィのアップルパイ 前編

~彼女がパイを再び作る、その日まで の巻~

前回、ビストロ・アニメシでは鋼の錬金術師よりグレイシアさんのほうれん草のキッシュを作成しました。

002
今回はこのパイ生地を使って、鋼の錬金術師からパイ第二弾。
主人公エドとアルの幼馴染であるウィンリィが、料理上手なグレイシアさんに教えてもらったアップルパイです。

このアップルパイは、ほうれん草のキッシュとは異なり物語に度々登場します。

バターをふんだんに使ったパイ生地に、手の込んだフィリング、そして焼きたての甘い香り‥
本来は甘い香りに幸せいっぱいな気持ちになりそうな一品ですが、ある悲報により一転して悲しみの象徴に。

原作である漫画とアニメでは、出来上がったアップルパイが登場する・しないの違いがありますが、どちらもアップルパイが「取り残された」ことに違いありません。

グレイシアからウィンリィへ受け継がれるという喜ばしい変化の一方、もう食べることの出来ない誰かがいるという悲しい変化を表すアップルパイ。

やり直しなどなく日々変化する、時の無情さを感じますが、悲しいだけでは終わりません。

悲報からしばらく経ち、物語も終盤に差し掛かった時のこと。
「体が元になったら何をしたい?」とエドに聞かれたアルは、「ウィンリィのアップルパイが食べたい」と言います。

悲しい思い出として止まるのではなく、こうして希望へと再び変化を遂げるアップルパイ。
時間の経過とともに、ウィンリィがアレンジをしているかもしれません。

というわけで、グレイシアさんからウィンリィへと引き継がれたアップルパイに思いを馳せつつ挑戦です。

【用意するもの】
101
まずはカスタードクリームを作ります。
小麦粉、卵黄、砂糖、生クリーム、バニラエッセンス

103
ボウルに卵黄と砂糖を入れ、すりつぶします。

104
卵黄と砂糖が混ざりきったら、小麦粉を投下。

105
ダマがなくなるまでよく混ぜます。

106
生クリームはフライパンに注ぎ、弱火~中火にかけます。

107
生クリームは沸騰する手前で火をとめます。

108
温まった生クリームを少量ずつボウルに加えて混ぜます。

109
混ぜ終わったところ。

111
混ぜ終えたら、再びフライパンに注ぎます。

112
弱火にかけて、スパチュラでかき混ぜます。

112
徐々に泡が潰れてカスタード色がお目見え。

113
あとはこれを、少しとろみがつくまで火にかけます。
火から下ろして冷ますととろみが弱くなるので、「まだ煮詰めたほうがいい?」と思う程度でストップしてください。

115
あとはここにバニラエッセンスを数滴垂らして‥

116
最後にザルで濾して粗熱を取ります。

117
粗熱が取れたら冷蔵庫へ。
これでカスタードは出来上がりです。

冷蔵庫で冷やす時は、ラップをかけずそのままの状態で入れて下さい。水滴がつくと傷む原因になります。

ラップをしたい場合は、ラップをカスタードの表面に隙間なくぴったりつける方法でもOKです。

カスタードが出来上がったところで、次はアップルパイの要、りんごのフィリングを作ります。

【用意するもの】
118
りんご、バター、砂糖

そしてお好みで‥
119
キャラメルソース

120
シナモン

キャラメルソースは蜂蜜でも代用が可能です。

122
りんごは皮を向いて、芯を取り除きます。

123
縦に薄切りにしていきます。

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二個分のりんごなので、切り終わるとなかなかどっさり。

125
バターをフライパンに落とし、火にかけます。

127
バターが溶けたらりんごを入れて絡めます。

129
りんごにバターがまんべんなく馴染んだら、砂糖をふりかけます。

130
あとはこれをかき混ぜずに、蓋をして10分煮ます!

りんごから水分が出るとは言え、なかなか景気の良い音がしているので焦げないか心配。

水を足して作ると、りんごがベチャッとした食感になってしまうので、今回はあえて水ナシです。

りんごが焦げないか、そして混ぜずに入れた砂糖が部分的にキャラメルになって、キャラメルソースいらずになるのでは‥と、心配は尽きません。

フライパンを揺すりつつ、とにかく時間が経過するのを待つのみ。

次回、「パイ生地に当惑する」の巻に続きます。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

グレイシアさんお手製・ほうれん草のキッシュ 後編

前篇の「パイ生地を作るということ の巻」をお読みでない方は、まずはコチラ

~愛情が表面張力 の巻~

パイ生地が出来上がったところで、次は肝心の中身を作り始めます。
とりあえず、出来上がったパイ生地はラップで包んで冷蔵庫へ。

生地を作ってから、実際に料理で使うまで時間がある場合は冷凍庫での保存が可能です。
その場合は、使用する前日くらいに冷蔵庫へ移動して自然解凍させてください。

【用意するもの】
040
生クリーム、ベーコン、チーズ、玉ねぎ、卵

060
チーズはグリュイエールチーズが一番ですが、手頃な溶けるタイプのものでも代用がききます。
口当たりをまろやかにするために、細かく切られたものを使用するか、すりおろして下さい。

042
そしてたっぷりのほうれん草

ほうれん草は調理する前に、さっと下茹でしておきます。

044
茹で終えたほうれん草はザルにあけて、水気をよく切っておきます。

045
玉ねぎは薄くスライス。

047
ベーコンは細切りにします。
厚さはお好みで調節してください。

050
ほうれん草は、根元を切り落とし、7~8cmに切り落とします。

046
フライパンに油を入れ温めます。

048
玉ねぎを中火~強火で炒めます。

049
玉ねぎがしんなりしてきたら、ベーコンを投下。

051
ベーコンに焼き色がついたら、少量のバターを入れます。

052
バターが焦げ付かないうちに、ほうれん草を入れてバターを絡めます。

053
ほうれん草は炒めすぎずに、バターと絡めたらすぐに火を止めます。

054
最後に塩、こしょうを加えて混ぜ、粗熱を取ります。

061
具の準備ができたら、次はパイ生地の最終段階。
台の上に小麦粉をうっすらとまぶします。

062
冷蔵庫で寝かせていた生地を取り出します。

063
今回のキッシュはこのパイ生地の半分だけ使うので、二等分にカット。

使わない生地は、再びラップに包んで冷蔵庫で保存します。
何に使うかはお楽しみに。

064
切り分けたパイ生地を麺棒で再び伸ばしていきます。
打ち粉はなるべく控えめに。

065
パイ生地の型より一周は大きく伸ばします。

066
薄さはこのくらい。

067
パイ生地を型に被せます。

068
余った生地を切り取ります。

069
切り取りづらい場合は、キッチンバサミで行うとスムーズにできます。
この作業も、パイ生地のバターが溶けてしまわないように素早く行い、なるべく手で生地を温めないようにします。

071
切り取ったパイ生地の端は、ラップに包んで再び冷蔵庫へ。
これも、またの機会に利用します。

075
フォークを使って、パイ生地の底が膨れすぎないように穴をあけます。

ここで一旦生地を型ごと冷蔵庫へ。
キッシュの卵液を作ります。

このタイミングでオーブンを200℃に余熱しておくと待ち時間が短縮されます。

055
ボウルに卵を割り入れます。

056
卵をよくかきまぜます。

057
ここが要注意。
生クリームは空気が入らないようそっと注ぎます。

058
生クリームを注いだらここからは泡だて禁止。
なめらかな食感の仕上がりにするため、泡立て器は使わずにスパチュラか木べらでそっと混ぜます。

これで下ごしらえは全て完了!
あとは具を入れて焼くだけです。

059
おこのみでナツメグ、塩こしょうを加え、同じようにそっと混ぜます。

077
冷蔵庫からパイ生地を取り出し、炒めた具を入れます。

078
その上にチーズをどっさり乗せます。

079
あとは上から卵液を注ぎ‥

080
最後に具を馴染ませつつ、見栄えを良くするためにほうれん草を数個、上にひきだします。

081
予想外に液がたっぷんたっぷんで、表面張力が起きています。
これも家族にお腹いっぱい食べて欲しいというグレイシアさんの愛情ということで‥ご愛嬌。

あとはこれをオーブンで焼くだけ!
180℃で20~30分、様子を見ながら焼きます。

焼き上がりが近づくにつれ、バターとチーズの焼ける良い香りがふんわりと広がります。

鋼の錬金術師 グレイシアのキッシュ ハガレン グレイシアさんのほうれん草のキッシュ ヒューズ家 ビストロ・アニメシ
表面に程よいこげ色がついたら‥

鋼の錬金術師 グレイシアのキッシュ ハガレン グレイシアさんのほうれん草のキッシュ ヒューズ家 ビストロ・アニメシ
出来上がり!

ヴェルダン パンスライサー 225mm OVD-17

パイを切り分ける時は、パンナイフで切ると生地が崩れずオススメです。

鋼の錬金術師 グレイシアのキッシュ ハガレン グレイシアさんのほうれん草のキッシュ ヒューズ家 ビストロ・アニメシ
包丁を入れると、中は調度良い火加減の様子。
たっぷり入れたチーズが流れない程度にトロッとしています。

鋼の錬金術師 グレイシアのキッシュ ハガレン グレイシアさんのほうれん草のキッシュ ヒューズ家 ビストロ・アニメシ
待ちに待った実食タイム!
口に入れると、思いの外軽い口溶け、口当たり。

パイ生地のサクサクとして、噛んだ瞬間にはらはらと崩れることといったらもう、すべての苦労が報われる瞬間です。

キッシュはしっかりとコクがありながらも、ふるふると軽く滑らかな食感!
対照的にどっしりと入ったほうれん草も、ざくざくと小気味の良い食べ心地です。

バターと生クリームがたっぷりですが、たくさんのほうれん草が入っているのでその食べやすさについペロリと食べてしまうので、食べ過ぎに注意。

時折見つかるベーコンがまた何とも嬉しい気持ちにさせます。

086
出来立ても文句なしに最高な一品ですが、「冷めても美味しい」のがキッシュの素晴らしいところ。

冷えてもその美味しさは損なわれることなく、むしろチーズやベーコンの味がぐっと濃くなって良い塩梅です。
それはもしかしたら、仕事熱心な夫のヒューズさんの帰りが遅くても美味しい夕食を‥というグレイシアさんの気遣いなのかもしれません。

あまりにも美味しくてつい沢山食べたくなってしまいますが、この濃厚さは適量が肝心そうです。

家族や大切な人との団欒に、会話を楽しみながらゆっくりとつついてみてはいかがでしょうか。

お好みでキノコやジャガイモを入れても美味しくなります。
アレンジ可能なこのメニュー、パイシートから作ればとても手頃に出来るので是非一度お試しを。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

グレイシアさんお手製・ほうれん草のキッシュ 前編

~パイ生地を作るということ の巻~

今回作成するのは、鋼の錬金術師FULLMETAL ALCHEMIST第一話より、グレイシアさんの作るほうれん草のキッシュ。

主人公エドとアルが仕事のために訪れたセントラルで、まだ泊まるところを決めていなかった二人を招待してくれたヒューズ家の食卓シーンです。

気さくで大の愛妻家・愛娘家のヒューズさんは、いつも妻と娘の自慢ばかり。

美人で料理上手な妻グレイシアさんと、無邪気で可愛いエリシアちゃん。
確かに自慢してしまう素敵な家族ですが、それにつけてもヒューズさんは度を超えてぞっこん。

そんな微笑ましく、幸せを形にしたようなヒューズ家で登場する、ほうれん草のキッシュ。
どこか懐かしさを感じる美味しそうな一品です。

錬金術の失敗によって、体を失ったアルが「体を取り戻したら食べるものリスト」に加えるほど心惹かれるキッシュ。
愛のこもった手作りが美味しさの秘訣のように思えます。

アップルパイが得意なグレイシアさんのことです。まさかパイ生地が市販な訳がありません。
きっと、丁寧に丁寧に、時間をかけてパイ生地から作っていることでしょう。

というわけで‥今回は、気合を入れてパイ生地を作るところから、再現に挑戦です!

【用意するもの】
001
まずはパイ生地を作ります。
強力粉、薄力粉、バター、氷水

以前、美少女戦士セーラームーンの育子ママのレモンパイを作成した時もパイ生地を作りました。
バターと小麦粉を練り込んで作る「練り込み式」で、手頃で比較的手間がかからないアメリカ流の製法です。

さっくりとしたクッキーのような生地が特徴で、もちろんこの製法でもキッシュには合います。

しかし、今回は作品のモデルがヨーロッパのイギリス。
しかも作り手はアップルパイを作るのが得意ときたら、アメリカ流の製法ではなく、ヨーロッパ流の製法が自然ではないでしょうか。

ということで、今回は「練り込み式」ではなく、バターと小麦粉を伸ばしては折りたたむ、「折り込み式」のご紹介。

「折り込み式」は、手間と時間はかかりますが出来上がりの本格さといったらありません。
層が綺麗に浮かび、はらはらとした口溶けが特徴のパイ生地になります。

コツはとにかく「バターを溶かさない」ことです。

集中するとうっかりしてしまいそうですが、どの行程も、とにかくバターが溶けないことが最優先です。
室温が高かったり、手で触れ過ぎた場合はその度に冷蔵庫で数分寝かせると失敗が防げます。

009
薄力粉、強力粉は一度ふるいにかけます。

012
ボウルに粉類を入れて、真ん中を空けるようにして壁を作ります。
スプーンなどを使うとスムーズです。

013
先ほどのバターとは別に、バターを用意します。

014
こちらは溶かしてしまいます。
加熱する場合は、粗熱をとる時間をとってください。

015
バターの粗熱をとっている間に、ボウルに氷水を投入します。
氷水は真ん中の穴に貯めるようにして注ぎます。

016
塩をひとつまみ、氷水めがけてまぶします。

017
あとは、塩を氷水と混ぜながら、そこにバターを注いでいきます。

018
バターと小麦粉が直にくっつくとダマができてしまうので、バターはなるべく水気のあるところに混ぜていきます。

019
氷水とバターを混ぜ終えたら、壁を内側から徐々に壊すようにして小麦粉を混ぜていきます。
混ぜ方としては、練りこまずに生地を切るようにです。

丁度うどんの生地を作る時と同じ感覚です。全体に均等に水分が行き渡るようにします。

020
生地の水分が均等になったら、生地をひとまとめにします。

021
ところどころにバターの粒が見える状態がベスト。

022
生地の半分の深さまで、十字に切り込みを入れます。

023
ラップにくるんで、ここで生地を30分冷蔵庫で寝かせます。

002
生地を寝かせている間に、バターの準備をします。

バターを伸ばす作業は、ラップでは破れてしまうこともあるので注意が必要です。
強度や手頃さを考えると一番便利なのは、未使用のビニール袋です。

004
バターをビニールの上に乗せます。

005
上にビニールを被せます。

007
バターを麺棒で10cm角程度に伸ばします。

008
溶けないように手早く行い、伸ばし終えたらラップに包んで冷蔵庫へ。
形は多少いびつでも問題ありません。

024
30分経過した生地を冷蔵庫から取り出します。

025
均一に力を加えて、バターが包める大きさに伸ばします。

026
生地がべとつく場合は打ち粉をするか、冷蔵庫ではなく冷凍庫に入れておくと扱いやすくなります。

027
バターがはみ出ないように、生地は余裕をもった大きさに。

028
空気が入らないように気をつけて、バターを四方から生地で包み込みます。

029
縦40cm、横15cmの大きさになるように生地を伸ばします。

破れそうな場合は、無理にこの大きさにする必要はありません。
折っているうちに自然と伸びます。

030
伸ばした生地は、奥から一折して‥

031
手前からも一折し、三つ折にします。

032
生地の向きを90℃変え、生地の端4辺を麺棒で押し、生地の口が開かないようにします。

033
より密着するように、端4辺押したら、十字にも押し付けます。

034
これが押し付けた状態。
これを先ほどと同じように、縦40cm、横15cmの大きさになるように生地を伸ばします。

伸ばす→三つ折→生地の向きを90℃変える→生地を押し付ける→十字に押し付ける→冷蔵庫で寝かせる

この一連の流れを繰り返していきます。

035
ここでも、作業はバターが溶けないよう、一度で行わないことが大事です。

一連の流れを終えたら、幾度冷蔵庫で30分寝かせます。
生地がべたついて破れそうな場合は、打ち粉をします。

036
最初はいびつだった形も、次第に生地が慣れて、なめらかになってきました。

バターと生地を折り込んだ数だけ、あのパイ生地独特の層が出来上がります。
この一連の行程を最低でも4回行います。

今回は8回行いました。
時間に余裕がある場合は、余分にやると尚の事美味しく仕上がります。

038
折り込み終わった生地は、ラップに包んで冷蔵庫で寝かせます。

パイ生地の準備はこれで完了!

こうして手順を紹介していると淡々とした作業ですが、実際に作るとなかなか神経を使います。

とにかくバターが溶けてしまっては、すべてが台なし。
そしてそれは出来上がらないと分からないというギャンブル感に、緊張感は広がります。

少しでも失敗の確率を下げるために、夕方なのに暖房を切り窓を解放するビストロ・アニメシ。
ベランダ七輪の反省で、しっかり着込んでいますが、その姿は異様です。

ちょっと滑稽な舞台裏ですが、美味しさには変えられません。

ヒューズさんに愛され、家庭を任されているグレイシアさん。
家事の一つ一つを丁寧にしそうな彼女のことですから、日中、暖房もつけずに冷えた台所でこうしてパイ生地の仕込みをしているのかもしれません。

エリシアちゃんがお昼寝や、お友達と遊んでいる間に、家事の合間をぬってパイ生地を作って‥
ちょうどエリシアちゃんが暇を持て余す時に、パイ生地のあとの料理を仲良く行うのかな?なんて想像が膨らみます。

パイ生地を作るのは、時間も手間もかかることです。
熟練さがモノを言う作業なので、美味しく作るには日々の積み重ねも大切。

出来上がりはホール一つぶんで、一人では食べ切れません。
パイ生地、それは「誰かのため」でないとなかなか出来ない、気持ちのこもった料理なのかもしれません。

まだまだ経験の浅い当ビストロ、バターが溶けていないかビクビクしながらも、ヒューズ一家に思いを馳せるのでした。

寒風に吹かれながら折った生地は、無事成功なるか!?

次回、「愛情が表面張力」の巻に続きます。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□