古代ローマ人なりの餃子 後篇

前篇の「はっと気がついて」の巻をまだお読み出ない方はまずはコチラから!

〜肉汁が大事! の巻〜

009
生地を寝かせている間に、餃子の具を作ります。

002
豚肉、タイム、ニンニク、コリアンダー、ローズマリー、塩、胡椒

013
そして白ワイン、オリーブオイル、蜂蜜

004
まずは豚肉をミンチにします。

006
根気よく叩いて叩いて‥

011
タイム、ニンニク、コリアンダー、ローズマリー、塩、胡椒を加えて叩き混ぜます。
味付けは塩のみなので、しっかり入れます。

014
全体に粘り気が出たら、白ワイン、オリーブオイル、蜂蜜も加えてよく叩きます。

016
見た目は餃子のタネに似た感じになってきましたが、香りは全然違います!
ハーブが効いていてエスニックな感じ。

これでタネが完成!
生地の仕上げに取り掛かりましょう。

017
台の上に打ち粉を軽くして‥

018
麺棒で薄く伸ばします。
厚さは市販の餃子よりも気持ち厚め。

020
コップをひっくり返して押し付けて、生地をくり抜きます。

021
いつもと違う行程というだけでワクワクしちゃう。

022
皮をくり抜いたら、タネを入れて、ふちに水を塗って‥

023
包みます。
生地がちょっと柔らかくて扱いづらいけれど、出来上がりに期待ですね。

027
ちょっと黄色い以外は、普通の餃子な見た目。

029
他のハーブにも色んな思いがありますが、今回のポイントはこのローリエ!
ローリエは古代ローマでは、勝利と英知のシンボル。
鍋いっぱいの水にローリエを浸して沸騰させます。

031
ローリエの香りを移したお湯に餃子を入れて茹でます!

032
餃子が浮いてきたら茹で上がりのタイミングです。

033
見た目はペリメニに近い感じ。

036
水切りをしたら、少量の油で焼き揚げします。
ジュワーッと景気の良い音がして良い感じ!

あとは程よくキツネ色の焼き色が付いたら完成!

ビストロ・アニメシ テルマエ・ロマエの再現料理 前田未希の料理 アニメやマンガの再現料理をしてみた
「コレも一緒にどうぞ!」

ビストロ・アニメシ テルマエ・ロマエの再現料理 前田未希の料理 アニメやマンガの再現料理をしてみた
デュラムセモリナ粉の香りなのかな?香ばしい香りが美味しそう!
ちょっと熱いですが、アニメの古代ローマのお客さんに倣って手で食べましょう。

餃子とは全く違う香りで、これは一体どうなるのかドキドキ‥

ビストロ・アニメシ テルマエ・ロマエの再現料理 前田未希の料理 アニメやマンガの再現料理をしてみた
「肉汁が溢れ出てきたーッ!!」

アニメの通り肉汁が出たら良いな、と思ってはいたのですが、
肉汁がジュワッジュワ、ボタボタ溢れ出てきてびっくり!ヤケド注意です。

生地はカリッとしてもっちり。独特の味わいでこれはこれで美味しい!
まったく別の料理として成り立っています。

タネはとにかく肉汁が凄い!なんか嬉しくなっちゃいますね。
ハーブやスパイスが効いていて、ギリシャ料理を思い出させる味です。

スタートは現代日本の餃子だとしても、これは古代ローマの料理と誇って良い!
ルシウスもすごいけれど、料理担当の人もすごい!と興奮せずにはいられない一品なのでした。

美味しかったから今度はラーメンも再現したいと欲が湧いちゃいました。
ただ、この餃子、ヤケドに注意です。

ごちそうさまでした。

古代ローマ人なりの餃子 前篇

〜はっと気がついて の巻〜

今回作成するのは、テルマエ・ロマエに登場する餃子!
アニメでは第3話「湯のちから・後篇」に登場します。

以前も当ビストロではテルマエ・ロマエに登場する古代ローマ弁当を再現しました。

前回は現代人の小達さつきちゃんが、古代ローマ人のルシウスの口に合うように‥と「現代人が古代ローマの食を再現」したものを作りましたが、今回はまた違います!

まず、皇帝ハドリアヌスの命により、ヴェスビオス山の麓に赴いたルシウス。
火山噴火により荒地と化した地は、荒んでいて寂れた雰囲気。
いるのはガラの悪い山賊と、温泉の源泉のみの状況、さあどうする!?といった展開です。

温泉街へとタイムスリップしたルシウスは、自分が思い描く今回の理想を目の当たりにします。
温泉名物、温泉まんじゅうに、娯楽の射的、そして貝に細工を施した民芸品。

中でも観る人を笑いに誘うのが、「ラーメンと餃子」なんです。

立ち寄ったラーメン屋さんで、なんとかラーメンを注文することに成功したルシウス。
あまりの美味さに電撃が走るような感動をしちゃって、涙まで出る始末。

そんなに美味しそうに食べてくれるなら嬉しい、と店主がサービスしてくれた餃子。
そしてそれにも感嘆するルシウス。

あまりにも美味しくて、パクパク食べちゃうけれど、一つは古代ローマに持ち帰ってヒントにしよう‥と袂にしまうのがまた笑えます。

さて、これだけなら只の美味しいラーメンと餃子です。

今回作るのはここじゃないのです。

無事に古代ローマに帰ってきたルシウスが、日本の温泉街から学んで真似るそれぞれのなかに登場するそれこそが、今回のテーマ!

「古代ローマの人々が日本の現代の餃子を再現」した餃子こそ、今回のテーマです!

ラーメンは中身が全く見えないので、それよりはヒントのある餃子でいってみましょう!
ということで調理スタートです。

【用意するもの】
001
デュラムセモリナ粉、熱湯

まずは餃子の皮作り!
古代ローマといえば、一般市民には製粉された小麦粉なんて手に入らなかったようですが、上流階級には白い小麦粉が出回っていたようです。

中でも当時のメジャー所は、硬質小麦。
全粒粉を用いても古代っぽいかな?と思ったのですが、アニメのシーンではつるっとして白い生地。
ほんのり黄色味があるのが特徴なので、一番近い味になりそうかつ硬質のデュラムセモリナ粉をチョイスです!

002
ボウルにデュラムセモリナ粉と熱湯を注ぎます。

003
木べらで切るようにしてざっくり混ぜましょう。

004
大体まとまってこのくらいになったら止めてOK。

005
台の上に置いて、ひと塊になるまでよく捏ねます。

007
10分ほど捏ねて、表面がつややかになったら捏ね上がり!

009
乾燥防止にラップで包んで、生地を30分以上寝かせます。

以前に再現した、のだめカンタービレの「ターニャのシベリア餃子・ペリメニ」にちょっと似ているような?

中に包み込む具をどうしようか、迷う所です。
アニメでは食べたローマ人が「肉汁がジュワーッて!」と喜んでいるので、ジューシーさ大事ですね。

次回、「肉汁が大事!」の巻に続きます。

第二部 古代ローマ弁当 後編

前編の「酵母から作る!イースト不使用の古代パン、パニス」の巻をお読みでない方は、まずはコチラから!

~所要時間‥何日?じっくり作る愛の弁当 の巻~

おかずのフライドウツボ、フライドエスカルゴも作って、残るは古代パン作りのみ。
じっくりじっくりと制作を重ねてきた古代ローマ弁当ですが、今回で遂に完結です!

第二部の前編では、パンを膨らませる為の酵母液を作りました。
酵母液は無事に成功しているのか、焼いてみないことには分かりません。

バターや砂糖がない時代のパン作り、一体どんな味になるのでしょう?
出来上がりの見た目や味に期待しつつ、いざ調理スタートです。

パイオニア企画 全粒粉 800g

小麦粉は、全粒粉を使用します。
全粒粉とは、胚乳だけを用いる通常の小麦粉ではなく、小麦の胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの。
これを用いることによって、出来上がりが茶色っぽくなります。

【用意するもの】
01
全粒粉、塩、蜂蜜、水、レーズン酵母

018
酵母液は冷蔵庫から一時間前には取り出し、常温に戻しておきます。

021
蜂蜜は混ざりが良くなるように水に溶かします。

028
ボウルに材料を全て入れ、生地が1つになるまで混ぜます。

033
色は通常の小麦粉より茶色ですが、基本は同じ。
最初はベタつきますが、こねていく内に生地の水分がまんべんなくなっていきます。

037
生地がひとつにまとまったら、ボウルから生地を取り出します。

039
台に取り出した生地を、10分ほどこねます。

040
こね方は、生地を縦に半分に折り、次に横から折りたたみ、そして縦に‥の繰り返しです。

049
表面がすべらかになったら、こねあがり。
油を塗ったボウルに生地を入れ、一次発酵をさせます。

052
発行中は生地が乾燥しないようにラップを被せます。
温度が低い場合は、バットに湯をはるなどして保温します。

ここがびっくりな所で、イースト菌を使ったパンに比べて、酵母パンは発酵に倍以上を要します。
酵母の活きの良さや温度によって上下しますが、6時間~12時間かかります。

一次発酵でしっかり膨らませないと、二次発酵でそれを補うことはできないので、とにかく膨らむまでじっくりと待ちます。

057
ボウルいっぱいに2倍以上に膨らんだら、一次発酵完了。

059
台の上に取り出し、手のひらでガスを押し出します。

062
ガス抜きを終えたら、生地をこねなおします。

064
濡れタオルをかぶせてベンチタイム。

067
ベンチタイムを終えたら、表面が張るように丸めます。

071
丸め直したら、生地を二次発酵させます。

070
表面が乾燥しないように、霧吹きで水を吹きつけてあげます。

075
二次発酵が終わりました。

オーブンの天板いっぱいに広がる生地。
良い膨れ具合になりました。

078
あとは生地に、切れ味の良い刃物で切り込みを入れます。

087
8等分に切り込んだら、いよいよ焼くだけ!

オーブンに入れて待つこと20分‥

091
焼き上がりました!
小麦の香ばしい香りに、綺麗な焼き色で美味しそうです。

092
バットに乗せて、熱を冷まします。

001
パニスを冷ましている間に、お弁当箱におかずを詰めていきます。
フライドウツボにピックを刺して‥

002
エスカルゴを詰めます。
エスカルゴはオイルに浸したものを取り出すので、オイルが滴らないようによく油を切ります。

あとはパンを唐草模様の風呂敷に包めば‥

010
「これ‥あなたに食べてもらいたくて‥

あとこれも‥
好きかもしれないって‥

ビストロ・アニメシ 古代ローマ弁当 テルマエ・ロマエ パニス 酵母パンの作り方 古代パンのレシピ エスカルゴのオイル漬け ウツボのフライ

カタツムリの揚げ物とウツボ‥」

ビストロ・アニメシ 古代ローマ弁当 テルマエ・ロマエ パニス 酵母パンの作り方 古代パンのレシピ エスカルゴのオイル漬け ウツボのフライ
さつきちゃんが、こんなに時間をかけて仕込みをして作ったのかは定かではありません。

しかし、愛情たっぷりなお弁当ということは間違いないでしょう。
パニス1つ作るだけでも感激ものなのに、それに加えて「好きかもしれない」と思い、慣れないおかずを用意してくれる‥そのいじらしさったらありません。

ビストロ・アニメシ 古代ローマ弁当 テルマエ・ロマエ パニス 酵母パンの作り方 古代パンのレシピ エスカルゴのオイル漬け ウツボのフライ
おかずはどれも茶系のもので、パッと見の華やかさはありません。
しかし、茶系の食べ物に不味いものはあまりありませんので、味は期待できます。

ピックのハートやピンク色も、さつきちゃんの不器用な可愛らしさがにじみ出ていて、彼女の魅力を知っているルシウスとしては心惹かれる点だったのかも知れません。

というわけで、いよいよ実食!

031
パニスは表面につけた切り込みから、簡単に分けることができます。

手で割くと、途端にふわっと香ばしい小麦とレーズンの香りが立ちます。
外側はハードで、中身はしっとり。ちょっとハードなスポンジケーキのような独特の食感がします。

今の時代のパンとは少し違うけれど、噛み締めるほど、口いっぱいに広がる小麦とレーズンの本来の旨味はずっしりとした食べごたえある美味しさがあります。
ほんのりとした酸味に素朴な味わいで、そのままでも不思議と後を引きますが、クセがないので食事パンとしても応用がききそうです。

088
オイル漬けのエスカルゴは、時間をかけてオイルに浸したことで、味が染み込んでいます。
牡蠣に似た食感ですが、牡蠣よりもクセがないので、エスカルゴバターの美味しさとバター、オリーブオイルのコクが存分に楽しめます。

お弁当箱に詰めた時はピックのみを用意しましたが、食べる時には小ぶりのフォークが便利です。
外観への抵抗も、下処理から時間を置き、オイルで黒くなっているので軽減されました。

見た目の抵抗感さえ克服すれば、食感も良くて美味しい一品です。
特にエスカルゴバターが染みたオイルが絶品で、これをパンに浸して食べるのもまた美味しいです。

そして驚いたのは、フライドウツボの味。

フライドチキンそっくりの味付けがぴったりとマッチし、チキン顔負けの味わいです!
衣からしっかりと風味がついていて、淡白すぎずコクがあります。

通常の白身のフライに比べて、びっくりするほど身がふっくらと柔らか。
チキンより脂っこくなく、お弁当箱に詰められた量も「少し多いかな?」と思ったのですが、簡単に食べきれてしまいました。

028
パンを片手に、おかずが進む古代ローマ弁当。

作中でルシウスが食べるシーンがないのが残念なくらい、とても美味しいお弁当に仕上がりました。
つい味に夢中になり、あまりアレンジを考えませんでしたが、パンに切り込みを入れてフライをサンドしても美味しく頂けそうです。

どれも素朴な味わいのなかに旨みがぎゅっと凝縮され、栄養価の高いものばかりです。
見た目に抵抗があり、食わず嫌いしていたものも、下処理を施しさえすれば、美味しいものへと変化します。

フライドウツボはマヨネーズやマスタードを足しても美味しそうですが、他とのバランスを考えると、この簡素なままの状態が良いのかもしれません。

ローマの繁栄を心に、誠心誠意働く古代ローマ人ルシウス。
余計な華美さや贅沢を求めない‥古代ローマ弁当は、そんな彼の「武士道」に似た精神を感じさせる一品なのでした。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

第二部 古代ローマ弁当 前編

第一部の「古代ローマの食卓」の巻をお読みでない方は、まずはコチラから!

~酵母から作る!イースト不使用の古代パン、パニス の巻~

第一弾では、古代ローマ弁当に入れるおかずを作りました。

081
皮が不気味だったものの、フライになって美味しそうになったフライドウツボと‥

088
エスカルゴバターが良い香りなものの、まじまじと見てはいけないフライドエスカルゴ

見た目も味もインパクトが大きすぎるラインナップです。

今回は、そんな2種類のおかずを食べる時の主食のパンを作成します。
お弁当のメインとも言える最後の一品。

ただのパンではなく、古代ローマのパン、パニス。

古代ローマ時代は、まだイースト菌が使用されていません。
勿論、卵やバターも入っていないシンプルなものです。

というわけで、イースト菌を使わず酵母で作るパンに挑戦。
当時実際に使われていた、干しぶどうの酵母液から作っちゃいます!

【用意するもの】

有機レーズン 125g 【メール便発送】

有機レーズンを用意します。材料は、これと水だけ。

レーズンの表面にオイルコーティングが施されていると酵母が出づらいので、オイルコーティングのされていないものを使います。

005
煮沸消毒した瓶に、レーズンを入れます。

006
清潔な水を注ぎます。
今回はミネラルウォーターを使用。

008
レーズンがひたひたになるまで注ぎます。

あとは酵母が活性化するのを待つのみ!
酵母は温度がとても重要なので、夏場は保冷剤をつけてあげたり、冬場はタオルを巻きつけてあげて20~28℃の環境を作ってあげます。

夏場は温度が高すぎると雑菌が発生するおそれがあるので、特に注意です。

017
1日目。
まだレーズンはカチカチのままで、水も透き通っています。

045
2日目。
水がレーズンの色で茶色になり、実も水分を吸収して丸みがかってきました。

042
酵母は生きているので、毎日様子を見る時に蓋を開けて、酸素を送ってあげましょう。

022
3日目。
液の色が深くなって来ました。温度が低いせいか、進み具合はイマイチ。

023
気泡が確認されるまでは、毎日レーズンが自ら頭を出さないように水を継ぎ足します。

076
4日目。
遂に気泡が出てきました!
この気泡が、無事に酵母が発生している証です。

072
炭酸のようにシュワシュワとしています。
あとは、気泡がもっと増えるのを見守ります。

078
気温を理想の温度にする為に、今回は湯たんぽを横におきました。
湯たんぽの他に、タオルで巻いても保温できます。

004
5日目。
レーズンが全て浮いて、蓋のぎりぎりまで盛り上がってきます。
この時期になったら、もう水は継ぎ足さなくて大丈夫。

あとはこれをもう1晩寝かせてあげれば、出来上がり。

005
蓋を開けて、アルコールのような香りがしたら成功です。
ワインやシャンパンのような良い香りするので、ひとまず酵母液は成功!

酵母を作る段階で、刺激臭や変な匂いになってしまった場合は残念ながら失敗です。
雑菌が繁殖している恐れがあるので、その場合は破棄して下さい。

分かりやすい出来上がりの目安は、レーズンを一粒取り出して潰してみること。
スカスカで簡単に潰せたら、出来上がりです。
レーズンから養分が抜けきっているので、食べてみると甘みも一切なくなっています。

007
出来上がった酵母液を、清潔なザルとボウルを用意して濾します。

009
レーズンをスプーンで濾して、レーズンからも酵母液を搾り取ります。

014
絞りとった酵母液は、清潔な瓶にいれて保存。
この状態で冷蔵庫で保管できます。

シュワシュワとした酵母液を使ったパンは、一体どんな味になるのでしょう?
無事に膨らむのか、どんな見た目になるのかドキドキです!

次回は、いよいよ古代ローマ弁当の完結編!
所要時間‥何日?じっくり作る愛の弁当」の巻に続きます。

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

はじける!エスカルゴ

055
当ビストロでは前回、テルマエ・ロマエに登場する揚げカタツムリを再現しました。

なかなか慣れない食材におっかなびっくりの我々。
なんとか下処理を終え、あとは揚げるだけ!と思ったのも束の間‥

揚げ油に浸してしばらくのことでした。
殻がジジ、ジジ‥と揺れたような気がした瞬間でした。

パァン!という大きな音とともに、殻からエスカルゴが飛んだのです。
重力に反し、換気扇へと向かう黒いエスカルゴ。

その飛距離は、1m程度でしょうか。

グロテスクな姿を殻に詰め、もう過酷な作業は終えた‥と一安心してすぐの出来事でした。
お恥ずかしいことに、不意を打たれて気が動転した我々は「エスカルゴが生きてる」と取り乱し、阿鼻叫喚。

揚げ終わり、オイル漬けにしている最中も「また動き始めるのでは‥」と思うと、とても目が離せませんでした。

よくよく考えれば、高温で熱処理されたエスカルゴが生きているはずがありません。
水分の多いエスカルゴを殻の奥に詰めて長く揚げ過ぎたのが原因だと分かるのですが‥

揚げ物をする際は、危険なので落ち着いて料理をしたいものです。
恥ずかしい限りの事件なのでした。

第一部 古代ローマの食材 後編

前篇の「先人の度胸に‥乾杯!フライドウツボ」の巻をお読みでない方は、まずはコチラから!

~先人の度胸に血の涙‥フライドエスカルゴ の巻~

前編ではウツボのフライを作成しましたが、今回は更なるインパクト!
エスカルゴの殻付きフライを作成します。

作中では、裏庭のハーブを食べて育ってるカタツムリをそのまま使うのですが、衛生面で非常に危険な行為です。
では安全な食用カタツムリを‥となり、エスカルゴを使用することになりました。

フランス産 エスカルゴ クラシック コンビ 125gと殻18個付き

エスカルゴといえばフランスの高級食材。
エスカルゴバターと共にオーブンで焼いて食べるのがよくある食べ方ですが、今回は作中の調理法に従い油で揚げます。

食用カタツムリ‥イマイチ食欲がわきませんが、ウツボのように新しい発見があるかもしれません!
美味しく出来上がることを心から祈りつつ、調理スタートです。

037
生のエスカルゴは手に入らなかったので、今回は缶入りのエスカルゴをネットで購入しました。
出来上がりに必須の殻も、しっかりついてきます。

缶の中身が一体どんなことになるのか、怖いもの見たさもありますが‥
まずは、出来上がりの味を左右するエスカルゴバターを作成します。

【用意するもの】
018
にんにく、パセリ、エシャロット、バター

020
バターは常温に戻しておきます。

027
にんにく、パセリ、エシャロットを全てみじん切りにします。

032
刻んだ野菜をバターの入ったボウルに加えます。

034
パセリが吹き飛ばないようにゆっくりと、フォークやスパチュラで混ぜます。

036
全体に野菜が混ざって色が馴染んだら出来上がり。
このまま柔らかい状態でも使えますし、ラップで棒状に包んで冷凍も出来ます。

そしてお次は、エスカルゴの下処理。

【用意するもの】
01
エスカルゴ、セロリの茎、白ワイン

レモンや長ネギの青い部分でも臭みは取れます。

001
遂にエスカルゴとご対面です。

007
予想よりも黒い何かが所狭しと詰まってます。

牡蠣のようにも見えますが、まじまじと見ると、ピロピロしている何かや独特の肌が‥
カタツムリだと認識してしまうと食べるのが怖くなるので、そっと目をそらします。

02
ザルに開けて水で洗い、表面のぬめりを取ります。

ちなみに漬け汁は泥臭いです。
嗅がないことをオススメします。

009
鍋にエスカルゴを入れ、エスカルゴが浸るくらいの水を注ぎます。

011
なにかがピロピロしているのが見えます。

015
適当に切り分けたセロリの茎を加え、火にかけます。

019
全体が温まったら白ワインを加えます。

029
塩を一匙加えて、アルコールが飛ぶまで一煮立ち。

021
沸騰したら火を止めて蓋をします。

粗熱がとれるまでは煮汁に浸したままにします。

033
熱が取れたら、ザルにあけて水気を切ります。

これで下処理は完了。
次は味付けに進みます。

【用意するもの】
039
殻、エスカルゴ、エスカルゴバター、パン粉

042
殻にエスカルゴバターを少量詰めます。

043
次にエスカルゴを詰め込みます。

044
エスカルゴの上に、またエスカルゴバターを詰めます。

045
揚げた時にエスカルゴが出てこないように、奥へギュッと詰めます。

046
入り口にパン粉をつけます。

050
黒々としたエスカルゴが見えなくなって、美味しそうに見えます。
あとはこれを揚げれば、フライドエスカルゴの出来上がり。

054
熱した油の中に、エスカルゴを殻ごと入れていきます。

053
油の温度が急に下がらないように、1つずつゆっくりと入れます。

057
エスカルゴがパンクしないように、温度に気をつけながら5分ほど揚げます。

058
揚げ終わったエスカルゴは、耐熱のボウルに取り出します。

063
全部取り出したら、ボウルに揚げ油も注ぎます。

065
味が染みこむように、オイル漬け。

粗熱がとれたら、瓶やタッパーに入れ替えて冷蔵庫で保存します。

ガーリックに香草、オリーブオイルの良い香りがしますが、味のほうはどうなっているのでしょう?
ジュワジュワと揚げたても美味しそうですが、牡蠣のような見た目ならばオイル漬けも悪くないはず。

そのグロテスクな見た目を存分に感じる下処理を終えて、ほっと一安心するビストロ・アニメシ。
「お弁当にエスカルゴ入ってたら、びっくりするね」なんて呑気な会話をしつつ、エスカルゴの味が馴染むのを待ちます。

気になるお味は、次回、第二部の古代ローマ弁当の記事にて公開です!乞うご期待!

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□

第一部 古代ローマの食材 前編

~先人の度胸に‥乾杯!フライドウツボ の巻~

024

今回作成するのは、テルマエ・ロマエに登場する古代ローマ弁当。

テルマエ・ロマエはラテン語で「ローマの浴場」。
その名の通りお風呂をテーマとした漫画で、古代ローマの浴場設計技師ルシウスが、浴場を通じて現代の日本にタイムトラベルをするお話です。

浴室建築のアイディアに思い悩むルシウスが、タイムトラベル先の日本で温泉玉子を知り、シャンプーハットに感嘆し、ウォシュレットに驚愕する‥

考えてみると、日本人のお風呂環境への情熱ってなかなか凄いものです。
ルシウスがカルチャーショックを受ける姿が笑いを誘い、そしてお風呂に入りたくなる作品。

今回の古代ローマ弁当は、そんなルシウスの気になる女の子、小達さつきちゃんの作ってくれた一品です。

ルシウスが古代ローマ人なのか半信半疑ではありつつ、故郷を離れているルシウスを思い、本を広げてそれらしいものを作るさつきちゃん。

古代ローマのパニス(パン)に、カタツムリ、ウツボ‥。

あまり、甘い恋の気配がしない献立ですが‥彼女の真心込めて作ったお弁当。
不味いはずがありません。

日本の温泉を貪欲に学ぶルシウスのように、異文化を頭ごなしに否定するのはよくありません。
食わず嫌いは止めて、ここは実際に作って食べてみましょう!

ということで、今回は第2部に分けて古代ローマ弁当の再現に挑戦です。

まずは「ウツボの揚げ物」の調理からスタート!

023
ウツボなんてそうそう手に入らないだろうと思ったのですが、ネットで購入出来ました。
骨なしの便利なウツボが、クール便で到着。

026
箱を開けると、そこには飾りの葉と冷凍ウツボ。

028
普段食卓に上がる魚介類とは違う、まるで蛇のような柄が確認できます。

031
カチカチに凍っているので、バットの上などに乗せて解凍します。

解凍し終わったら、次は臭み取りに進みます。

【用意するもの】
01
ウツボ、白ワイン、ナツメグ、胡椒、塩、にんにく

004
ウツボに、ナツメグ、胡椒、塩の順に振りかけて馴染ませます。

005
スライスしたにんにくをまぶします。

008
白ワインを注ぎ、全体を軽く揉みます。

012
あとは下味がつくまで冷蔵庫で寝かせます。

1~3時間経過したら、下処理OK。

冷蔵庫からウツボを取り出し、ザルに開けて水気をしっかりと切って衣付けに進みます。

【用意するもの】
041
コンソメ、黒胡椒、牛乳、卵、小麦粉

047
卵は白身と黄身がよく溶きほぐれるように、かき混ぜます。
そこに牛乳も加えて混ぜます。

049
水気をきったウツボをバットに広げ、卵液を注ぎ込みます。

051
ウツボのすみずみまで卵液が染みるよう、このまましばらく浸しておきます。

053
ウツボを卵液に浸している間に、粉の準備。

055
小麦粉に胡椒とコンソメを加えて、混ぜあわせておきます。

056
粉の色にまだらな部分がなくなったら混ぜ上がりです。

060
卵液に浸していたウツボを取り出し、余分な卵液を拭きとってから粉の上に乗せます。

061
粉を全体にまぶしていきます。

064
ところどころにコンソメの色が確認できますが、あの独特の柄は小麦粉で隠れました。

こうして見ると、ごく普通の魚のフライのようですが、揚げると一体どうなるのでしょう?

067
キツネ色になるまで、油で揚げます。

073
揚げ終わったウツボ。
皮は黒いので分かりますが、あの独特の柄が分からなくなりなりました。

077
衣をカリッと仕上げる為に、最後にさっともう一揚げ。

ウツボの揚げ物 ビストロ・アニメシ テルマエ・ロマエ
バットに乗せて、余分を油を落としたら出来上がり!

意外なことに、見た目も匂いもとても美味しそうです。
こんがり綺麗なキツネ色に、食欲そそるスパイシーな香りは、まるでフライドチキンのよう。

しかし、この中身はチキンではなくウツボ。これはフライドウツボなのです。
古代ローマ人のルシウスの口に合うように、洋風の味付けにしたのが幸を成すのか、それとも‥

続きは「第一部古代ローマの食材 後編」にて。
フライドウツボの気になるお味は、第二部古代ローマ弁当の記事にて公開です!乞うご期待!

■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□