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~芯のあるお米たち の巻~

前回の巨大アカイカとの戦いから、無事に帰還した我々。

まずは汚れを水洗いしたゲソを包丁で細かく切ります。

ザルにあけた状態で、分量外の醤油をかけます。

醤油が全体に行き渡るように手でもみ込みます。

火を止めたままのフライパンに、ゲソを加えます。

続けて、水を切ったもち米と米も加えて混ぜます。

具と米がバランスよくなるようにかき混ぜます。

混ぜ終えたら、スプーンですくってイカの中に詰めていきます。

奥まで詰め込めずに苦戦かと思いきや、手前に入れてから揺することですんなりと奥まで行き届きました。
通常のいかめしと同じく、お米は膨らみ、イカは縮みます。
お米が膨れすぎて破裂しないように、量は「すこし少ないかな?」と思うくらい控えめに。
余ったお米は、そのまま分量分の水で炊き込みご飯を作ります。

お米を詰め終えたら、長めのつまようじをさして口を閉じます。
と、思いきや‥

肉厚で思うようにつまようじが刺さりません。

仕方なく、縦に突き刺す形式で続行。

お米がもれなければ万事OKです。

ではいよいよ煮始めます!

スケールが違いすぎて、これが料理なのか分からなくなりながらも、大量のだし汁を投下していきます。

何度か置き場所をずらすこと数分、IHが無事に感知してくれました。
沸騰まで相当な時間がかかることが予想されるので、だし汁を入れた時点を加熱を開始します。

ここに、砂糖を加えます。

醤油と‥

酒、

みりんを加え、溶け切るまでかき混ぜます。

一向に沸騰する気配がありませんが、ここはひたすら待ちます。

その間に、お好みでスライスした生姜を用意します。

大鍋に入れるとちっぽけに思えますが、生姜は少量で香りが出るのでこのくらいに。

そうこうしている間に、いかめしより先に、余り物の炊き込みご飯が完成しました。

いかめしも徐々に温まってきたようです。

鍋と蓋の間に距離があるので、蓋の中にもアルミホイルで落とし蓋を。
あとはこのまま沸騰させて、1時間強火で煮ます。

その間に先ほどの炊き込みご飯をおにぎりにして試食。

加熱されたことで赤くなったイカが色鮮やかです。
ブレンドしたもち米が程良いもっちり感で、イカの味が全体に染み込んでいて絶品!
鶏そぼろと生姜で飽きがなく、そして味が染みた玉子がまた美味しいです。
ゲソの部分だけでこんなに美味しい味が染みわたるなら、いかめしはさぞ美味しいに違いありません。
自然と出来あがりにも期待が高まります。
しかし!ここで不穏な香りが発生。

急きょ蓋を開けてみると‥コゲ臭いです。
ひっくり返してみると、案の定‥

コゲちゃいました。
本来はいかめしを作る場合、割り箸を鍋下に敷くのですが‥
イカも鍋も大きいので、「普通のサイズの割り箸では太刀打ちできないだろう」と省略したのが敗因です。

今度こそ焦げないように、イカの下にアルミホイルを敷いて加熱することに。
イカを持ち上げようとフライ返しやヘラを駆使するのですが、イカが重みですべって汁が飛び跳ねるので、ヤケドには要注意です。
そして沸騰から1時間後、火を止めて20分そのまま蒸らします。
火の通りは心配ですが、先ほどの名残のコゲ臭さで、これ以上の加熱は断念です。

意を決してお皿に取り出します!
やはりコゲはついてしまいましたが、なかなか美味しそう。
醤油とイカの香ばしくて良い匂いが立ち込めます。

おなじみiPod比較。
この大きさ、お分かりいただけますか?
気分は湯屋で働くお姉さん。

「お客様ぁ!お大臣様ぁ!こっちこっち、こっち!」
カオナシに金のオネダリごっこをやってみました。
実際にやってみて分かったのは、もの凄く重くて、1分も持てないという事です。
湯屋で働くお姉さんの腕力は伊達ではないという事なのでしょうか。

気を取り直して、切り分けて中の火の通りを確認します。

イカは火が十分に通っていますが、お米を摘んで食べてみると‥まだまだ硬いまま。
再度火を通すにも、どうすべきか迷った一行は‥

一部を電子レンジでチンしてみることにしてみました。
タレを入れて、低温でじっくり温めればお米が炊けるのでは?ということで、いざレンジへ。

ボンッ!という音が鳴り、爆発してしまいました。
回収をしながら、あまりにも浅はかだったことに反省し、次の手段を考える一行。
ちなみに勿体ないので捨てずに、これも再度加熱します。

そして思いついたのは、蒸し器にいかめしを入れ、タレで蒸す方法。
通常の蒸し方とは違い、タレをいかめしに浸るくらいにたっぷりと入れてお米に水分を行き渡らせる作戦です。
弱火でじっくり蒸すこと、約2時間。

ドキドキしながら味見してみると、ご飯はふっくら、タレが良い具合に染み込んで美味しい!

ちょっと道のりは長くなってしまいましたが、なんとか無事炊きあがりました。
切り分けたものも同じように蒸せば出来あがりです。
肝心のお味は、達成感も相まって格別です!
輪切りにしたいかめしを食べるのに、ナイフとフォークがあった方が食べやすいかもしれません。
肉厚なアカイカは、一口かじるだけでボリューム満点。
モチモチで噛みごたえがあり、香ばしい醤油の香りで、なんだかちょっとリッチな焼きイカを食べているような気分になります。
炊きあがりに苦戦したお米部分も、タレとイカの旨味がぎゅっと染み込んでいて美味です。
先に出来あがった炊き込みご飯も美味しかったですが、やはりいかめしの方がオススメです。
味の染み込み方も、イカの中にぎゅっと凝縮された香りもより強くて芳醇。
少し焦げてしまったことはご愛嬌として、これでカオナシもご機嫌間違いないはず。
神様の為に作るものだというだけあって、お正月の食べもののような独特のめでたさがある一品なのでした。
■□■□ 今回使用した調理アイテム ■□■□